ヨーロッパ学術センター所長の堀教授が「ウェルフェア・テクノロジーの未来」についてパネル討論を行いました

ヨーロッパ学術センター所長の堀真奈美教授(健康学部健康マネジメント学科)が2月8、9日に南デンマーク地域のバイレ市で開催された「デーニッシュ・オープン・ビジネス」に参加しました。この催しは、日本大使館とバイレ市の共催で、日本とデンマーク双方の産官学が連携して実施された国際会議です。今回のテーマは、「ウェルフェア・テクノロジー2.0-ビジョンからリアリティへ(Welfare Technology 2.0 – From Vision to Reality)」で、ウェルフェア・テクノロジーは個人や社会のQOL向上にどれだけ貢献できるのか、未来はどうあるべきかが検討されました。

初めに、宇山秀樹在デンマーク日本大使とバイレ市のイエンス・アイナー・クリステンセン市長が関係者に謝意を示すとともに、ウェルフェア・テクノロジーに関する両国間の知見の共有の重要性を述べました。その後、産官学の多様な関係者による報告が行われ、デンマーク側では、AIイノベーションハウス、デーニッシュ・クラウンなどの現地企業、バイレ市をはじめ複数自治体の担当者、認知症の脳機能に関する製品を開発した企業研究者、大学の研究者が発表。日本からは富士通株式会社や損害保険ジャパン株式会社など複数の民間企業や千葉大学など大学関係の研究者も参加し、研究成果などを報告しました。

パネル討論に登壇した堀教授は、パブリック・インテリジェンス社のピーター・ユリウス氏と認知症の認知行動療法のアプリを開発したブレイン+のキム・バーデン・クリステンセン氏、デザイン工学で著名なロスキレ大学の安岡美佳准教授とともに、「ウェルフェア・テクノロジーの未来」について議論しました。堀教授は、「そもそもウェルフェア・テクノロジーとは何か? 誰にとってのテクノロジーなのか、個人の利益と公共の利益に相克はないのか、関係者間の問題意識の共有が重要です。テクノロジーの導入・普及には多くの課題がありますが、両国の知見を蓄積することでソリューションにつながるのでは」と語りました。

翌日は、デンマークのメッテ・キアクゴー高齢者担当大臣もプログラムに参加し、デンマークのイノベーションを推進しているビジネスパークにある企業や病院などの取り組み状況を視察。関係者間の自由討議を経て、国際会議は無事終了しました。

堀教授は、「デンマークの基礎自治体であるバイレ市は、柔道での交流を通じて東海大学とも縁のある自治体ですが、ウェルフェア・テクノロジーの分野では日本大使館とも交流しています。今回のイベントには、デンマークの高齢者担当大臣も視察から参加されましたが、両国間の経験の共有の重要性などが述べられたのは印象的でした」と感想を話していました。