大学院生が漁港施設損傷判定のAIモデル構築の提案で土木学会関東支部優秀発表賞を受賞しました

大学院工学研究科2年の宮下泰成さん(指導教員=建築都市学部土木工学科・三神厚教授)が、3月3日と4日に東京・中央大学で開催された「第53回土木学会関東支部技術研究発表会」で優秀発表賞を受賞しました。宮下さんは、インフラのメンテナンスに関する研究分野を対象として新設された「セッション部門」に参加。「画像AIを用いた漁港施設におけるひび割れ検出に関する基礎的研究」をテーマに発表しました。

全国にある漁港施設では、インフラの老朽化と技術者不足がいっそう加速すると見込まれています。点検作業の効率化のためにAIを活用した自動ひび割れ検出技術が注目されていますが、漁港施設の劣化は腐食や剝離など多様な要因があり、湿潤状態によりコンクリート表面の色調が不均一に変化することから、判別精度の低下が懸念されています。宮下さんの研究では、多様な条件下で漁港施設を撮影した画像を使い、ひび割れ判別において誤判別が生じやすい要因や傾向を把握することを目指しました。ひび割れの有無、腐食や剝離、湿潤状態といった状態を6種類に分類し、それぞれ500枚の画像を準備。可視化結果を分析した結果、AIモデルは人間の視覚的判断基準とほぼ整合する特徴に着目して判別を行っている可能性が高く、ひび割れ画像の誤判別の傾向を分析した結果、特に湿潤画像での誤判別が生じやすいことがわかりました。

宮下さんは、「三神先生から、セッションに参加する一般の聴講者に研究成果が伝わる工夫が大事との指導を受け、試行錯誤した成果が受賞につながりました」と喜びを語りました。三神教授は、「学生にはいつも、“聴講者の側に立ち、わかりやすく内容を発表するように”と指導しています。今回の受賞はその努力が報われたものです」と話しています。