「建築学科能登復興支援共有会」を開催しました

建築都市学部建築学科では7月17日に湘南キャンパスで、「建築学科能登復興支援共有会」を開催しました。本学科の教員と学生らは昨年1月1日に発生した能登半島地震と、同年9月の能登半島豪雨を受けて、復興支援の一助になろうとさまざまな活動を展開してきました。今回はそれぞれの活動を共有し、今後につなげることを目的に企画しました。

はじめに竹川唯さん(4年次生)と山口木の葉さん(同)が、本学科の富永哲史非常勤講師(大学院工学研究科1991年度修了、株式会社富永事務所代表取締役、東海大学建築会会長)のサポートを受けて有志の学生5名で今年3月6日から9日まで現地で行ったボランティアと視察について報告。被災当時の様子や復興の現状を調査し、子どもたちと輪島の未来を考えるワークショップを地元団体と共催したほか、支援物資の配布などを手伝った様子を紹介し、「建築を学ぶ学生にとって空間をつくることは人々の関係性を支えることと等しく、復興の一助としてできることがまだ多く残されていると感じました。今後も継続的な支援とワークショップの開催、住民が集う場所の家具の設計・施工などに取り組み、地域と共に考え、支え合う姿勢を大切にしていきたい」と語りました。

また、3月10日から17日まで青年海外協力協会などによる輪島市でのボランティア活動に参加した奥野翔さん(同)は4名で現地を訪れ、「仮設住宅を訪問し、見守り支援を担当しました。住民の方から“話せてよかった”“来てくれるのが楽しみになっていた”と声をかけてもらい、支援になっているのだと感じました。家屋の倒壊状況も自分の目で見て、日本の耐震基準がしっかりしていることを感じるとともに、どのような住まいが人々を守れるのかを改めて考えさせられました」と語りました。地震の1週間後から志賀町や珠洲市への物資の輸送ボランティアや見守り支援などを継続してきた安保創晟さん(大学院工学研究科1年次生)は、「震災から1年半が経過し、一時的な支援ではなく、住民自ら立ち上がっていく仕組みをつくるなど、支援のあり方を問い直す時期に来ていると感じます」とまとめました。

まちづくりや都市計画が専門の後藤純准教授と建築計画を専門とする須沢栞講師は、地震発生から1週間後に共に石川県庁を訪れ、社会福祉法人佛子園などと創造的復旧・復興に向けた提言書を作成した経緯を説明。提言書をもとに、今年4月にオープンした仮設住宅で暮らす人々の支援施設や、震災に関する研究についても紹介しました。岩﨑克也学部長は、「皆さんの報告を聞いて、こうした一つひとつの積み重ねが大切であり、現場で見た生の情報はこれからの皆さんの活動を後押ししてくれると思います。今後もぜひ継続してください」と語りました。