
大学院総合理工学研究科の金佳琪さんが7月12日から18日まで、アスティとくしまで開催された「宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」でベストポスター賞に選ばれました。ISTSは世界各国から宇宙分野の研究者や技術者等が一堂に会し、研究発表やパネルディスカッションが行われる国際学術会議です。
金さんは「一体型接合部を備えた3次元筒状剛体展開構造物の設計とその有効性―形状記憶ポリマーを用いた3次元筒状剛体展開構造物の作製を通して―」をテーマに発表。折り紙のように折りたたんで宇宙空間に打ち上げて展開できる「3次元筒状展開構造物」を、薄膜ではなく厚みを持たせたデザインとし、形状記憶ポリマー(SMP)や熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を用いて3Dプリンタで製作する手法について報告。蝶番構造などを用いた展開機構とは異なり、一体型で製作することによってスムーズな構築が可能となっています。
十亀昭人教授(建築都市学部建築学科)の研究室で学ぶ金さんは、「研究室の一員として、最新の研究成果を携えて国際学会で発表する機会をいただけたことを大変光栄に思います。さまざまな分野の優れた研究成果に接し、研究者と交流する中で、白熱する討論の瞬間も体感できました」と振り返ります。「発表準備では、実際に製作したモデルを十亀教授に見ていただきながら助言をもらいました。言葉や視覚、触覚を融合させたプレゼンテーションで、新たな材料を用いた3次元展開構造物の最新研究を紹介できてよかったです。今回、形状記憶材料であるSMPと柔軟性材料であるTPUを新たに取り入れました。今後も、これまでにはなかった展開構造物の研究に挑戦し続けると同時に、研究成果を社会に還元していきたい」と話しています。

