児童教育学部が講演会「子どもたちと大人の危険、レジリエンス、そして、共感」を開催しました

児童教育学部では5月27日に湘南キャンパスで、講演会「子どもたちと大人の危険、レジリエンス、そして、共感」を開催しました。本学部では今年3月、ウィンターセッション科目「海外教育体験B」を履修する3年次生がデンマークを訪れ、さまざまな教育・保育機関での研修を実施しました。講演会は、その際に訪問した幼児教育施設「子ども島ボンサイ」の園長を務めるリッケ・ローセングレン氏が来日したことから、同施設における保育・教育活動について学ぼうと企画したものです。当日は、学生や教職員、神奈川県内の保育関係者ら約100名が参加しました。

「子ども島ボンサイ」は、19世紀末からドイツやスイスで活躍した思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育理念に基づき、子ども一人ひとりの個性を尊重し、自然豊かな森の中で自由に遊ぶことでレジリエンス(困難やストレスを乗り越え回復する力)を育む教育や保育を展開しています。ローセングレン氏は、自然との触れ合いや規則正しい生活、愛着形成など、幼少期にレジリエンスを身につけるためのさまざまな手段を学術的な観点から説明。「子どもにとって過酷な状況をつくるのではなく、自然のリズムを大切にした生活や安心できる環境を生み出すことが重要な鍵になります」と語り、現代社会におけるデジタルメディアとの付き合い方についても言及しました。

講演後の質疑応答では、子どもの幸福度やデジタルメディアの影響、ギフテッドの子どもの教育など、多岐にわたるテーマで参加者と活発に意見を交わしました。参加した学生からは、「子ども自らのやりたい気持ちと行動を尊重しながら、危険なものに目を向けて安全確保に努める重要性を学びました。児童教育を学ぶ者として、子どもたちがのびのびとした空間的・時間的スペースで遊びを見つけられるような保育を考えていきたいと思いました」「子どもを信頼し自由に活動させることで、有意義な経験ができるという話が印象的でした。今回得た知識は、夏季休暇中に参加する保育園や幼稚園でのショートインターンシップに生かせると感じました」といった声が聞かれました。