児童教育学部児童教育学科の綿引清勝講師のゼミでは11月16日に明星大学日野校体育館で、「インクルーシブバレーボール大会」(主催=明星大学教育学部)の企画・運営に協力しました。障がいの有無や年齢、性別にかかわらず、さまざまな人がスポーツを介して交流することを目的に毎年実施されているイベント。綿引講師は2021年度に行われた第1回から大会の企画・運営、競技委員長を務めており、昨年度から本学の学生も参加しています。今回は、障害の有無に関わらず、近隣の幼児や小学生、大学生、一般の方、明星大卒業生、福祉施設の方などの参加も含めて、総勢約60名が参加しました。

当日は参加者を4つのチームに分けて実施。最初のチームビルドは綿引講師が全体のファシリテーターを務め、ボールが空中にある間のみ動くことができる「だるまさんがころんだ」などで体を動かしながら綿引ゼミの学生が各チームのリーダー的役割を果たして参加者の交流を深めました。続いての競技は、床に座った姿勢でプレーする「シッティングバレー」と、大きくて柔らかいボールを用いる「ソフトバレーボール」を実施しました。未就学児や支援が必要な参加者も安全に楽しめるルールや環境を事前に構成。また、試合を進める中で大きな得点差がつかないよう、審判を務める学生の判断で適宜ルールを調整し、誰もが公平に楽しめる試合づくりに取り組みました。参加者からは、「“バウンドあり”“得点2倍”など、審判が工夫してくれたので楽しむことができました。上手にできなくても励ましの声があり、あたたかい空間でした」「子どもがのびのびと過ごし、周りとコミュニケーションを取れていたので参加してよかったです」といった声が聞かれました。
綿引講師は、「学生たちは一日、自分たちで都度最善の方法を考えながらチームビルディングや試合の運営に取り組んでくれました。日ごろゼミでは“できない理由を探すのではなく、どうすればできるのかを考えよう”と話しているのですが、それを体現してくれたことは指導者冥利に尽きる喜びです。一方で、インクルーシブスポーツは“誰もが楽しめる”ことを目的としているにもかかわらず、ついサポート役に回ってしまう場面もあり、今後の運営方法の課題が見える機会にもなりました。障がい者への支援については日々授業で学んでいますが、実際に当事者と接することで得られる知識と経験はとても幅広く、卒業後に教員や保育士として働く中で大きな財産になると思います。体と頭を動かし、周りと協力しながら一つのことを成し遂げられた経験を、自信につなげてもらえたら」と話していました。


