
【ジ・おでん団】旗揚げ公演レポート①に続き、腰塚ひなたさんによる旗揚げ公演レポートをお送りします。
2025年9月7・8日、静岡県川根本町でジ・おでん団 第1回公演「走れメロス」を行いました。
一日目は町の文化施設で町民の方向けに1公演、二日目は小・中学校での3公演。旗揚げ公演から4公演もできる贅沢さに少々おびえながらも無事に終えることができました。
この劇団および朗読劇の話が始まったのは5月。入学してたった一か月で新しい挑戦。わくわくする一方、私が役に立てるのか?という不安が大きかったのを覚えています。
私は演劇の宣伝美術や舞台美術などの作る側、裏方仕事に興味がありました。なので当然その面でのみサポートするつもりでいましたが、いつのまにか演者としても参加することになりました。
専門的な知識も技術もなく慣れない衣装・小道具づくりに加えて演技、さらには楽器演奏までやることが決まりました。大変でしたがその分とてもやりがいがありました。

この劇団および朗読劇の話が始まったのは5月。入学してたった一か月で新しい挑戦。わくわくする一方、私が役に立てるのか?という不安が大きかったのを覚えています。
私は演劇の宣伝美術や舞台美術などの作る側、裏方仕事に興味がありました。なので当然その面でのみサポートするつもりでいましたが、いつのまにか演者としても参加することになりました。
専門的な知識も技術もなく慣れない衣装・小道具づくりに加えて演技、さらには楽器演奏までやることが決まりました。大変でしたがその分とてもやりがいがありました。
初日の朝。早速緊張していました。気持ちを落ち着けるために一人で散歩に出たのですがいつのまにか一時間も歩いていました。猫とか見ていました。
午前のうちに会場へ移動し、場当たりや最終調整。初めて会場に入ったため、練習の段階では気づかなかったこともたくさん。本番直前まで台本は書き換えられていきます。
完成した衣装はこのタイミングで初めて共演者のみんなに披露しました。一日目にゲスト出演していただいた布施さんに実際に衣装を着てもらったとき、褒めていただいたときはとても感動しました。さすがプロ、役に合うような衣装を活かす動きを何度も何種類も試していて、それがもうかっこよくて…納得いくまで作った甲斐があったと感じました。
午後はいよいよ本番。ずっと緊張していた私と対照的に近藤さん、二神さんは冗談を言ってふざけていました。緊張していなさそうなのが意味わからなかったです。袖入り口では布施さんがにこにこしていて、舞台のほうでは川口さんとよっちゃんが凛として待機していて、私だけ余裕なく取り残されている気分になりました。
始まってみると緊張がほぐれる間もなくあっという間に終わったという印象でした。あまり記憶もありません。せっかくのレポだし、思い出すためにこの日の公演の録画を見返すのがいいんでしょうが、いまだ怖くて見返せていません。行けないから動画を見たいと連絡をくれた人、ごめんなさい。自分でも確認できてないのでもうしばらく送れそうにないです。
二日目は一日目より緊張も少なく穏やかな気持ちで身支度を済ませ、最初の小学校へ。
昨日の観客よりも一気に年齢層が下がります。原作である太宰治の『走れメロス』、多くの人は中学生で学びます。既読の人には原作と本作の違いを比べながら面白いと思ってもらえる自信がありました。そのためまだ習っていない小学生には伝わるか不安な点もありましたが、たくさん笑って楽しく観劇していたようで安心しました。
二校目は昼休み中の公演ということもあって多くの人に観てもらえました。なぜか大人もいっぱい。なんと特別な手続きをしなくても地域の人も学校に入ってこれちゃうらしい。なんておもしろい町。大人も子供もそれぞれがそれぞれの感想を伝えてくれて胸がいっぱいになりました。

劇の終盤、近藤さんと二神さんによるコントのような場面で「おもしろ!」と声を上げる子が。自由に声を上げて素直に思ったことを伝えてくれるのはとても嬉しいことです。演劇はお堅いものではなく気楽に自由に見ていいものだと伝わった証拠です。私も“おもしろいよね~”と心の中で返事をしておきました。
川根本町の人に「来てくれてありがとう」と言われました。こちらからしたら“見に来てくれてありがとう”なのでお礼を言うのは逆です。小学校では大人に「(子供たちにとって)いい経験になったと思う」と言われました。これも“小学校でやるなんて初めてでいい経験になりました”なので逆です。後日、みてくれた小学生のみなさんから寄せ書きが来ました。そこにも「ありがとう」と書いてあります。かわいいねありがとう。逆です。
こちらがお礼を言わなきゃいけないのに逆にたくさん素敵な言葉をかけていただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
この4か月間、あっという間でしたがいろんな経験ができました。どれもいい思い出です。おでん団へ、またやりたいです。
文化社会学部文芸創作学科1年次 腰塚 ひなた