今堀ゼミの卒業生を紹介します

○現在の業務
弊社は化学メーカーの中でも、金属表面処理の総合メーカーという普段の生活では聞き馴染みのないような業界に属しています。弊社の薬剤や技術は自動車部品やその他の金属部品に多く採用されており、日本の産業の縁の下の力持ち的な立ち位置として成長を続けています。
その中で私は、名古屋支店の営業課に配属され営業職として働いています。特に、売上の大半を自動車産業に依存しているということもあり、自動車産業の盛んな名古屋市を拠点で働くことができるということに、大きなやりがいを感じています。主な業務としては、既存顧客への営業、新規顧客の獲得、薬剤の分析、クレーム処理及び問題解決など多岐に渡ります。

  1. アジア学科に入学したきっかけ
    受験生の頃はかねてより関心のあったエジプトについて深く学ぶことのできる学科を中心的に受験しており、東海大学の所有するエジプト関連の遺物や資料に魅了され入学を決めました。また、総合大学であり留学生を幅広い地域から受け入れているという点も、自分自身を成長させる上で必要な要素であると考えておりました。
  2. アジア学科で最も印象的だった学び
    大学1年次と2年次に参加したアジア海外研修は自分自身の人生を振り返ってみても、これ以上のない学びの連続でした。特に、大学1年次のウズベキスタンへの渡航は、大学における学びの方向性の決定につながり、自身とイスラームを引き合わせてくれるきっかけになりました。1年次に海外を見る目を養うことができた点は、社会人となった今でも自分の財産となっています。
  3. ゼミでの活動
    今堀ゼミではフィールドワークを通して、実際に難民申請者として生活する在日クルド人や、日本クルド文化協会会長などへの聞き取り調査を個人の卒業研究として行いました。アポイントメントから調査、その後のやりとりなど全てを自力で行うことで行動力や積極性を身につけ、異なる宗教や言語、背景を持つ方との人間関係の構築力などを育むことができました。その中でも、実際に入管と最前線で戦っている方々への聞き取り調査は、報道などでも報じられていないものが多く非常に貴重な経験となりました。文献やニュースでは見ることのできない現状や事実を知ることの大切さを学ぶことができたと感じています。
  4. 卒業論文にむけてどのように研究をすすめたか
    今堀ゼミではフィールドワーク手法を研究に採用していることから、他ゼミよりも早い3年生の春学期から卒論の活動を始めました。まずは聞き取り調査や現地調査などのフィールドワークを行う前に日本語文献や英語文献、トルコ語の文献などを読み込みテーマに関連する知識を深めました。また、聞き取りを行う際、用意した質問だけに終始するのではなく、その場で「新たな問い」を創出してオリジナリティを出す必要があったためタイムリーな報道や記事、法改正などの情報をこまめにチェックするなど下調べを入念に行いました。フィールドワークデータが取り終わってからは、聞き取った内容に実際の報道などを照らし合わせて情報の整理と、問題解決への考察を幅広い視点から行いました。
  5. 就職活動で自己アピールしたこと
    積極性や常に前向きな姿勢等を中心にアピールしましたが、基本的には極端に誇張せずありのままの自分を出すことを心がけました。海外研修への参加や、ゼミでのフィールドワークなどの経験が、自分に自信を持たせてくれるきっかけとなりました。
    また、海外での経験から海外拠点を持つ企業を多く探していたので、特にアジア圏において将来的に海外駐在にチャレンジしたい旨をアピールしました。
  6. アジア学科での学びは今の仕事にどのように活かされているか
    現在は、金属表面処理剤の開発と製造を行なっている化学メーカーの営業職として勤務しています。特に、フィールドワークで培った積極性や行動力、ヒアリング力、コミュニケーション能力は自分自身の長所として実際の業務でも活かすことができています。また、以前までは苦手意識のあった化学分野に対しても、未知の分野を多く学ぶことができるアジア学科での経験によって、日々抵抗感なく向上心を持って知識を積み重ねることができているのではないかと思います。
  7. アジア学科を目指す高校生に一言
    アジア学科ではアジアという幅広い地域、分野を広く深く学ぶことができます。将来のビジョンや、学びたい学問が不明瞭な受験生も多くいらっしゃると思いますが、アジア学科であればきっと面白いと思える学問に出会えるはずです。そして、アジア学科での濃密な経験は、卒業後の人生においても必ず自分の強みとして活きてくると思います。
    アジア学科だからこそ経験できることがたくさんあるので、受験生の皆さんもぜひアジア学科で学んでほしいと思います。