北欧学科の合同授業でアイスランド大学助教による講演を行いました

文化社会学部北欧学科では6月3日に湘南キャンパスで開いた「アイスランドのことばと文化」(担当教員=松本涼准教授)と「北欧の思想とアイデンティティ」(担当教員=柴山由理子准教授)の合同授業で、アイスランド大学助教のクリスティン・イングヴァルスドッティル氏による講演を行いました。4月から大阪市で開かれている関西・大阪万博に合わせてイングヴァルスドッティル氏が来日したことから実現したものです。当日は、約130名の学生が出席しました。

講演では初めに、874年にノルウェーのヴァイキングによって発見された島国・アイスランドの歴史を解説。アイスランドが16年にわたって1位となっているジェンダー・ギャップ指数や、政治における北欧諸国の協力関係について紹介しました。「議会・政府間で協力するために、各国の国会議員が参加する『北欧理事会』と、政府の官僚が関与する『北欧閣僚理事会』という協力機関があります。毎年1度、環境や外交、農業などといった分野ごとに大きな会議を開いて、共通の課題や今後の政策を議論します。各国が連携して政策を進めていくため、各国の取り組みは似たものになります」と話しました。続いて、北欧と万博の関わりについても語り、「1970年に大阪府で開催された万博では、各国の規模がそれほど大きくなかったため、北欧5カ国が共同で出展しました。現在開かれている万博でも共同出展していて、北欧共通の価値観をメインとした展示スペースが広がっています」と話しました。さらに、北欧諸国が2030年までに世界で最も持続可能な統合された地域になることを目的とする「2030年ビジョン」も紹介しました。講演の最後には、「アイスランド大学には日本人も対象とした奨学金制度もあるので、留学したい方はぜひ検討してください」と語りかけていました。

聴講した学生は、「北欧諸国の連携が強いことは理解していましたが、その背景がよくわかりました」と話していました。