文化社会学部広報メディア学科3年次生のグループがこのほど、「トキを通じた能登半島のブランディングプロジェクト」を結成。本学科の野口将輝准教授が座長を務める石川県の「ブランド化専門委員会」と連携し、同県の公式YouTubeチャンネルで配信する動画の制作に取り組んでいます。
同県では、2024年1月に発生した能登半島地震の復興に向けて「石川県創造的復興プラン」を設定。その一つとして「トキが舞う能登の実現」を掲げており、来年度上半期にトキを放鳥し、復興のシンボルとする地域活性化プロジェクトを展開しています。学生たちはこの活動の一環として、5月24日に石川県内各地で開かれる「『いしかわトキの日』放鳥決定イベント」を取材し、放鳥に対する県民の関心を高める動画の作成を企画。地方自治体などのブランディングを専門とする野口准教授の指導の下、研究室に所属する学生8名が4月ごろから準備を開始しました。動画編集を専門とする樋口喜昭教授の研究室に所属する6名の学生も加わり、PR動画の構成や関係者や来場者へのインタビュー内容を考案、分担して絵コンテを作成してきたほか、トキや能登半島に関するイメージについて湘南キャンパスの学生にも取材を行うなど、綿密な準備を進めてきました。

放鳥決定イベントでは、学生6名と野口准教授、樋口教授が2つのグループに分かれて取材。のと里山空港で行われたお笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹氏と能登地域放鳥受入推進協議会アドバイザーの小宮輝之氏らによるトークセッションをはじめ、石川県立図書館やいしかわ動物園などで開催された「絵本おはなし会」など、イベントの様子を撮影しました。さらに、トキが生息できる環境づくりに取り組む石川県の職員や、いしかわ動物園トキ飼育繁殖センターの飼育員ら関係者にインタビュー。えさ場環境の整備に関する同県の事業をはじめ、トキの生態や飼育にあたって注意しているポイントなどを質問したほか、イベントの来場者にも、参加した感想やトキ放鳥への期待を聞き取りました。インタビューを担当した北澤心悠さん(3年次生)は、「事前に用意してきた質問に加え、取材相手の回答から話題を広げるような質問をするように心がけました」と話し、撮影を担当した池田ちはるさん(同)は、「被写体の表情を撮影するように意識しました。少しでも多くの人に見てもらえる動画にしたい」と意気込んでいました。
6月19日には、湘南キャンパスでプロジェクト内での試写を行い、工夫した点や課題について相互に説明しました。樋口教授は、「動画に盛り込む要素を絞り、視聴者が最後まで飽きずに見られるよう、メンバー同士でよく話し合って工夫を重ねてください」とアドバイス。野口准教授は、「それぞれのゼミの専門性を生かした取り組みで、クライアントの要望も反映しながら作品を仕上げる必要があり、学生たちにはプレッシャーもあると思います。ただ、通常のゼミ活動とは異なる貴重な挑戦の機会に主体性を持って取り組んでほしい」と語りました。
プロジェクトでは7月上旬までに、湘南キャンパス3号館にあるマルチメディア室で数本の動画を完成させ、県の担当者との最終調整を経て順次公開する予定としています。




