「世界の文学A」のゲスト講師に俳優の布施安寿香さんをお招きしました

7月15日、川口好美先生が担当する「世界の文学A」の授業に、俳優の布施安寿香さんがゲスト講師として登壇されました。以下、川口先生による授業リポートをお届けします。

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布施さんは学生時代に<ク・ナウカ シアターカンパニー>で俳優としての活動をはじめられ、2006年からは<SPAC(静岡県舞台芸術センター)>に在籍し、国内国外を問わず、様々な舞台で活躍されています。また昨今は、ワークショップや講義などをつうじて、“言葉”と“身体”をめぐる思索を深めていらっしゃいます。

これまでの授業では、シェイクスピア作の戯曲『ハムレット』を中心に勉強してきました。文学を知識として学ぶだけでなく、毎回みんなで『ハムレット』を音読し、言葉のリズムを感じることを心がけてきました。それが、一番の文章上達法だと思うからです。
子どもの頃はファンタジーの古典作品が大好きで、読書が自分の居場所だったこと。将来は小説家になりたいと思っていたけれど、だんだん演劇という居場所に魅力を感じるようになったこと。演技は、他人の言葉によって自分ではない何かになることなので、子供時代の読書がとても役に立ったこと。今でも本を読み続けていること。こうしたことを布施さんは語ってくれました。

シェイクスピアの『ハムレット』についても、何度もオフィーリア役を演じた実体験をもとに教えていただきました。シェイクスピアの詩的な言葉と向き合い、それをからだで表現する布施さんの数々の工夫と誠実さに心を打たれました。また、役者はセリフをどうやって覚えているのかなど、俳優ならではの視点から興味深い“舞台裏”をのぞくことが出来ました。学生たちは布施さんののびやかな声と動きに魅入られたように、いつも以上に集中して授業を受けていました。
授業後は、演劇に関心を持っている学生グループのために、ウォーミングアップや朗読のコツを指導していただきました。9月には、布施さんと学生グループの朗読劇でのコラボレーションも実現することになり、一同気合が入りました。
このように文芸創作学科では、様々なジャンルを横断しながら日々創作を学んでいます。関心を持たれた方には、オープンキャンパスなどにも参加していただけるとうれしいです。