工学研究科の西岡さんが「日本画像学会年次大会2025」でベストプレゼンテーション賞を受賞しました

大学院工学研究科1年次生の西岡柊哉さん(指導教員=総合科学技術研究所・岩森暁教授)が、6月11日から13日まで東京科学大学で開かれた「日本画像学会年次大会2025」でベストプレゼンテーション賞を受賞しました。同学会は、プリンタやデジタル印刷などのマーキング技術をはじめ、各種マーキング技術、フレキシブルデバイスなどの基礎研究や実用技術の発展を目指すものです。今大会は「画像価値多様化への挑戦―来て・見て・語れ つながりが拓く画像技術の未来―」をテーマに開かれ、AIやIoTを活用した画像技術、デジタル印刷や加飾など多岐にわたる分野で最新成果が発表されました。

西岡さんは、紙やフィルムなどの薄膜に印刷やコーティングなどの加工を施した後に、再びロール状に巻き取り大量生産する「ウェブハンドリング技術(ロール・ツー・ロール)」の研究に取り組んでいます。今回は、ウェブハンドリング技術を用いた成膜工程で筋が生じる不具合に着目し、「画像解析によるすじの定量的評価および統計解析を用いたすじの基礎検討」と題して発表。画像解析によって視覚化されるフィルム上の色ムラから筋の評価方法を確立し、加工時の温度分布と筋の発生条件の関係性を明らかにしました。

西岡さんは、「ウェブハンドリング技術は先行研究が少ないため、流体工学や光工学といった他分野の知識を取り入れました。東海大学工学部には多様な分野の専門家である先生方が在籍しているため、すぐに相談できる環境が今回の結果につながったと感じています」と振り返ります。また、「学会大会での受賞は初めてでしたが、研究室では日ごろからプレゼンテーションの練習をしてきたので自信を持って臨むことができました。現在は学校規模の研究ですが、今後は実際の製造現場で応用できる技術開発を目指し、将来的には産業界の技術革新に貢献したい」と目標を語っています。