工学部機械工学科の関本諭志講師が筆頭著者を務める論文『Flow Control around NACA0015 Airfoil Using a Dielectric Barrier Discharge Plasma Actuator over a Wide Range of the Reynolds Number(広範なレイノルズ数条件下における誘電体バリア放電プラズマアクチュエータを用いたNACA0015翼型まわりの流れ制御)』がこのほど、駆動装置(アクチュエータ)と制御システムに関する国際的なオープンアクセスジャーナル『Actuators』の「Best Paper Award 2023」を受賞しました。本賞は、2023年に出版された論文の中から選出されるもので、7月末に公式ホームページ上で受賞者が発表されました。

関本講師は、電極間に高電圧をかけることで小さな流れを発生させ、流体の制御に利用できる装置「プラズマアクチュエータ」の研究を専門としています。今回の研究では、飛行機の翼の表面を空気が流れる際、翼の角度によって空気が表面から剥がれて、揚力(翼を持ち上げる力)が弱まる課題に着目しました。飛行機の翼として基本的な型であるNACA0015を対象に、プラズマアクチュエータを取り付け駆動した際に改善される揚力の数値を、多様な条件下で検証しました。また、高電圧を流し続けるよりも、一定のタイミングで電圧をONOFFする“バースト式”の方が剥離現象を抑えられることに注目し、制御性能のよい駆動方法をまとめています。
関本講師は、「2016年に始めた実験を元にした論文なので、喜びとともに感慨深い気持ちでいっぱいです。先行研究は限定的な条件下での検証結果をまとめた論文が多いので、広範囲な条件での実験に取り組み、明らかにした点が評価されたのだと感じています。」と話しています。