工学部電気電子工学科の稲森真美子准教授がこのほど、電子情報通信学会「通信ソサエティ活動功労賞」を受賞しました。同学会は、電子情報通信分野の研究者や企業関係者らで構成される日本有数の工学系学会です。稲森准教授はこれまでも女性エンジニアの活躍の場を広げる活動を展開。同学会の研究専門分野グループ「通信ソサエティ」では、研究専門委員会や企画の運営を担ってきた功績でこれまでも活動功労賞を受賞しています。また、2020年から同学会が発行する英文論文誌の編集委員を務めており、今回はこの論文誌編集に対する功績が評価されました。稲森准教授は、今年からは同論文誌で副編集長を務めています。

「論文誌は国内外の研究者が成果を発表し、知識を共有する大切な場です。編集委員は投稿された研究論文を適切に査読に回し、質の高い学術論文が世に出るように調整する役割を担っています」と稲森准教授。受賞について、「共に活動してきた編集委員、査読にご協力いただいた研究者の皆さまのお力によるものです。自分の仕事が学術コミュニティに少しでも役立ったことを認めていただき、大変光栄で、励みにもなります」とコメント。「編集委員の一員として、研究分野の最新動向を踏まえつつ、公平で迅速な編集作業を心がけ、研究成果がより広く国際的に発信されるように尽力してきました。論文の著者と査読者双方の立場がわかるからこそ、今後は副編集長としてさらに俯瞰した立場から、学術誌のさらなる発展に貢献していきたい」と話しています。
稲森准教授は、「情報通信技術は私たちの生活や社会の基盤としてますます重要度が高まり、AI、IoT、エネルギー効率の高い通信技術など、新しい分野へのニーズは急速に高まっています。こうした変化を踏まえ、研究では“人と社会に優しい無線通信技術”の探求を進めていきたいと思います」と今後の抱負を話しました。さらに教育活動について、「学生が基礎的な知識を身につけるだけでなく、自分の力で新しい技術を考え出せるような創造力を育むことが重要だと感じています。社会で求められる課題解決力や国際的な視野を持つ人材を育成できるよう、これからも努力を続けたい。学生たちには机上の学問だけではなく実生活に息づく人に役立つ技術に関心を持ってほしい。同時に、女性エンジニアの活躍の場がさらに広がるよう活動にも引き続き取り組んでいきたいと思います」と話しています。