留学生がペロブスカイト太陽電池の研究で優秀口頭発表賞を受賞しました

大学院総合理工学研究科2年のアッタポン・プロイプラディさん(指導教員=工学部電気電子工学科・金子哲也准教授)が、昨年11月9日から14日までタイ・チュラロンコン大学で開催された「太陽光発電国際会議(PVSEC-36)」に参加。「逆構造型ペロブスカイト太陽電池におけるエタノール/ヨウ素溶液法により作製されたヨウ化銅ホール輸送層の均一性」をテーマに、金子准教授と共に進めている研究成果を発表し、学生優秀口頭発表賞を受賞しました。

アッタポンさんたちは、ペロブスカイト層でつくられた正孔(ホール)を取り出して電極に運ぶために必要なホール輸送層の改良を目指し、材料としてこの分野での応用は珍しいヨウ化銅に着目。ヨウ素を溶液として扱い、窒化銅を浸漬させることで均一性の高いヨウ化銅薄膜の大量作製の可能性を高めるアプローチを採用しました。ヨウ化銅の作製過程で生じる課題を、ホール輸送層の膜中に生じる穴であると特定し、問題を改善すると太陽電池性能が向上することも実証。受賞は、このようなペロブスカイト太陽電池についての将来性ある新機軸として評価されたものです。

アッタポンさんは、タイの技術系教育機関職員で、給費留学生として修士課程から本学大学院で学んでいます。「発表時点では、ホール輸送層の膜厚を厚くすることで穴を減らし、性能改善につながることを示しました。しかし、膜厚を増やすと太陽電池の最高性能は低下するため、その後の研究で、薄い膜のまま穴を減らし、さらに性能を向上させる方向性も見えてきました。帰国後も研究を続け、私が指導する学生たちも東海大で研究できるよう支援したい」と今後の展望と抱負を語りました。金子准教授は、「本研究の難しさは、単一の膜を作ることのみではなく、太陽電池デバイス全体として正常に動作するところまで一連の工程を成立させる点にあります。今回の成果は、総合科学技術研究所のプロジェクト研究における連携、技術共同管理室の分析支援などの協力体制が実を結んだものです。今後も協力してさらに研究を進めたい」と話しています。