大学院生2名が精密工学会春季大会で各章を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻2年次生の西岡柊哉さん(指導教員=総合科学技術研究所・岩森暁教授)と押本有平さん(同)が、3月17日から19日まで埼玉大学で開催された2026年度精密工学会春季大会学術講演会「学生研究発表会」に参加。西岡さんが「ベストプレゼンテーション賞」を、押本さんが「企業賞(ジェイクト賞)」を受賞しました。同学会は機械技術者や研究者が「高度な技術」に関する共通の課題や今後の展開の探求を目的として1933年に設立され、学生・大学院生に贈られる各賞は、優れていると評価された研究成果発表に授与されます。

西岡さんと押本さんは、ロール状の薄膜やフィルムを大量生産するためのウェブハンドリング技術に関する研究に取り組んでいます。「ウェブ」とは印刷用の紙やフィルムなど幅が広い長尺素材全般を指し、これらを搬送して巻き取る「ウェブハンドリング技術」はさまざまな産業分野で多用されており、一般的な生産方法として大量生産が可能となるRoll-to-Roll(R2R)方式が用いられています。

西岡さんは、「不織布ロールの巻取り理論モデル構築に向けた基礎検討」をテーマに発表。医療や工業分野で多用されている不織布について、R2R生産方式の巻取り工程で生じる「ずれ」や「しわ」といった不具合の発生予測と防止を目的に、これまで金属等に適用されてきた理論を不織布にも適用できるよう、理論モデルの精度向上を検討しました。西岡さんは、日本機械学会、日本画像学会での受賞に続き、これが3度目の受賞です。「評価されてうれしいと思うと同時に、これに満足することなく研究を続け、社会人になっても成果を出して世の中の発展につながる仕事をしたいと思います」と抱負を語りました。

押本さんの研究テーマは、「搬送工程における薄膜の折れしわ欠陥発生に関するFEM解析と予測手法の検討」です。電気自動車などに使われ需要が急増しているリチウムイオン電池に使われるアルミ箔は、電池の軽量化や性能向上のために薄膜化が進められています。R2R生産方式の搬送工程で生じる膜厚ムラや折れしわといった不具合は、品質の低下や生産ライン停止を引き起こす重大な課題となっており、押本さんの研究はそうした不具合発生のメカニズムを解明し、解決を目指すものです。発生条件の実験的な検討に加え、さらに有限要素法(FEM)解析の手法を用いてシミュレーションと実験結果との比較検証を行い、折れしわ発生の条件を検討しました。押本さんは、「発表では多様な分野の来場者の方から質問を受ける過程で、実験方法の改善など新たな気づきもありました。企業の方々に評価していただいてうれしいです。大学院で得た研究に対する取り組み方を社会に出ても生かしていきます」と話しました。