工学研究科の曹さんらが中国の「海洋文化デザインコンテスト」で優秀賞に選ばれました

大学院工学研究科1年次生の曹芸晨さん(指導教員=建築都市学部・岩﨑克也教授)が参加するグループがこのほど、中国で開催された「第11回海洋文化デザインコンテスト」の「海洋景観デザイン」分野で優秀賞に選ばれました。大学生や大学院生、専門学校生が対象で、「デジタルオーシャン」をメーンテーマに4つの分野で作品が募集されたコンテストには2万7771点の応募があり、金(9点)、銀(17点)、銅(58点)、優秀賞(335点)が選ばれました。

曹さんは友人である湖北美術学院の学生2名とともに参加。作品制作にあたっては2022年の世界的な夏の暑さにより、台風や津波といった自然災害やヒートアイランド現象に悩む沿岸部の都市が増えている点に着目しました。特に被害の大きいシンガポールやマレーシア、フィリピンなどでは新型コロナ禍の影響で観光客も減り、工場などから排出される大量の二酸化炭素やメタンが大気汚染を引き起こし、海面も徐々に上昇しているため、小さな町の生活水準や幸福度は急落し、雇用や人口の減少が致命的な打撃を与えています。その解決に向けて、沿岸部から陸地にかけて散在する住居を大きさの異なる11の円形コミュニティに集約する案を考え、それぞれのコミュニティに病院、学校、行政、文化施設、レクリエーション施設などを設置するとともに、風や太陽光の通り道を設定することで再生可能エネルギーも生成でき、将来的にはエネルギー消費による環境への負荷を最小限に抑える案をまとめました。さらに、海中ではサンゴ礁も育成し、25年かけて海に返す計画も提案しました。

曹さんは、「昨年7月からアイデアを考え始め、メンバーとオンラインで意見を出し合いながら進めましたが、まとめきれず途中でコンセプトごと白紙に戻すなど苦労もありました。岩﨑先生からも多くのアドバイスをもらいながらこうして形にでき、優秀賞をいただけてとてもうれしく思います。日本には魅力的な建築が多く、文化も素晴らしいので、今後も瀬戸内海に浮かぶ直島や豊島をはじめ、たくさんの地を訪れ、建築を見て学びたい」と今後の目標を語っています。