湘南キャンパス中央図書館では12月11日から1月30日まで、教養学部芸術学科の瀧健太郎准教授の研究室による「ブック・プロジェクション」の展示を行っています。2025年4月に中央図書館がリニューアルしたことをきっかけに、瀧准教授の研究室では日ごろ取り組んでいるプロジェクション・マッピングとのコラボレーション企画を立案しました。7月に図書館の職員向けにプレゼンテーションを行い、夏期休暇明けの9月に選定された2冊の書籍を紹介することが決定。プロジェクターの設置台も学生たちが木材で手作りし、図書館が開館している午前9時から午後7時までの間、1階Islandsコーラルで展示されています。



さまざまなアーティストがモノクロで描いた作品の画集『モノクロ絵の世界』(BNN編集部編/ビー・エヌ・エヌ新社)をテーマにしたグループは、書籍と共に、作品集から選んだイラストの刷り出しとクレヨン、箱を設置。図書館の利用者がクレヨンで自由に色を塗り、備え付けの箱に入れたものをデータ化してモノクロ絵の上に投影するプロジェクション・マッピングを制作しました。小泉菜々子さん(3年次生)は、「図書館を利用する人々と私たち芸術学科の学生が、作品を通じて楽しみを共有できる展示にしたいと考えました。1~2週間に一度箱の中身を回収しているのですが、展示開始から年末年始の休暇明けまでに30点以上集まり、想像以上の反響に驚いています。大人になると塗り絵をする機会はなかなかないと思うので、童心に帰って楽しみながら参加し、図書館を利用するきっかけにもしてもらいたい」と話しています。


学生に向けた注意喚起として選ばれた一冊は、『ネット依存の恐怖‐ひきこもり・キレる人間をつくるインターネットの落とし穴』(牟田武生著/教育出版)。オンラインゲームをはじめとするインターネットコンテンツに依存し、日常生活に支障をきたしている子どもの実態が紹介されている本書の展示では、「GAME OVER」「ゲームばっかりするなよ!」というメッセージや、人の手がゲーム画面を突き破って出てくる映像が表示されます。星戸萌衣さん(同)は、「書籍の中ではネット依存による悪影響が書かれているので、日ごろネット環境によく触れている学生に読んでもらいたいと思い選びました。かなりインパクトの強い映像になったので、普段本を読まない学生にも興味を持ってもらえたら」と話します。
瀧准教授は、「リニューアル直後の図書館を見学した際とても素敵な空間だと感じ、“本に映像を映したら面白いのでは”と考え、図書館職員の方々にご協力いただいて初めて実施しました。書籍といった“文字メディア”の上にプロジェクション・マッピングのような“映像メディア”をのせる取り組みはあまり見かけないのでどんな仕上がりになるかと思いましたが、学生が選んでくる本も企画内容も想定外のことばかりでとても面白い展示になりました。本の世界をクリエイティブに表現する貴重な経験になったと思います」と語っています。