経営学部・木之内教授と基盤工学部・阿久津講師がインドネシアでのイチゴの無病苗開発の取り組みに向けた調査を行いました

経営学部経営学科の木之内均教授と基盤工学部電気電子情報工学科の阿久津雅子講師が5月2日から7日まで、インドネシア・ガルト県を訪問。高付加価値いちごの無病苗開発を通じた産地6次化に向けた調査を行いました。この取り組みは、木之内教授が会長を務める㈲木之内農園が採択を受けた、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業」による活動の一環です。インドネシア共和国西ジャワ州ガルト県にあるイチゴ産地を対象に、無病苗※を生産・販売するとともに、生産者や農政関係者、現地の大学などと協力し、生産・加工・商品開発に関する指導を行うことで、生産技術の遅れによる低所得や産地持続などの課題解決につなげることを目的としています。

木之内教授は自身が運営してきた木之内農園の事業として、1980年代に熊本県南阿蘇地方でいち早くイチゴ栽培と観光農園を開始するなど農業の6次産業化に積極的に取り組んできたほか、本学農学部や半導体メーカーなどの企業と連携して種苗開発や植物工場実証事業といった先端園芸農業に関する研究を展開。種苗開発から果実生産、加工、マーケティング、販売に至る包括的なノウハウを有しています。今回の取り組みは、これらのノウハウを生かして現地に合弁法人を設立し、無病苗の生産・販売や加工技術、商品開発、観光農園運営といった農業の6次化を指導しようというものです。東海大学としても国内における学術的見地からのサポートを行っていくことから、蔬菜花卉園芸学や植物育種学が専門の阿久津講師も参画しています。

木之内教授、阿久津講師ら一行は今回の調査期間中、現地の農家やガルト大学、パジャジャラン大学といった研究機関を視察。各地で活動に向けた状況を確認したほか、関係者らと意見を交換しました。「パジャジャラン大の研究施設は整っており、無病苗の開発にも活用できると感じました。これまで取り組んできた花粉保存や遺伝子組換え、組織培養といった分野に関する研究の成果を生かしたい」と阿久津講師。木之内教授は、「実業家として培ってきた経験を伝えることで、”グローバルな地域貢献活動”につながると考えています。また、将来的な学生の交換留学なども視野に、ガルト大やパジャジャラン大と大学間連携を深めるとともに、この取り組みを経営学部、基盤工学部の学生たちの学びの場としても活用できるよう検討を続けていきたい」と意気込みを語っています。

※ウイルスに感染しにくいイチゴの芽の先端を無菌状態で切り出して人工培養を施すことで作出されるクローン苗

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