法学部の学生が裁判員・法曹三者の意見交換会を見学しました

 2025年12月25日、法学部の学生が横浜地方裁判所小田原支部を訪れ、裁判員・法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)との意見交換会を見学しました。この意見交換会は、裁判員裁判を実際に経験された裁判員の方々と法曹三者を交えて行われているもので、主に若い世代に刑事裁判や裁判員制度の理解を深めてもらうことを目的としています。
 当日は、冨高彩講師の演習・特別講義Aを履修している学生と、柑本美和教授の演習を履修している学生が参加しました。
はじめに、横浜地裁小田原支部職員の案内のもと、同支部の庁舎内を見学させていただき、道路交通法違反被告事件の刑事裁判も傍聴しました。

 その後、裁判員を務めた4名の市民のみなさんと法曹三者との意見交換会を見学させていただきました。
意見交換会の後には質疑応答の時間もいただき、学生からは、
「自分たちの判断が被告人の人生を大きく変える結果になったとき、迷いや後悔はありましたか」
「衝撃的で精神的に負担も大きい証拠に接することもあると思いますが、その際、裁判官による精神面でのケアなどはありましたか」
「刑事裁判において被告人の生い立ちや犯行動機が問題となると、私自身感情移入してしまいます。裁判員の皆さんは公平性を保つため、心がけたことはありますか」
といった質問が出され、裁判員の方々には1つ1つの質問に丁寧にお答えいただきました。

 刑事裁判傍聴と意見交換会の見学を終えて、参加した学生たちは、
「以前から裁判傍聴に強い関心がありました。ニュースや教科書で知る刑事裁判と、実際に法廷で見る刑事裁判とでは印象が異なり、法廷の雰囲気や進行を間近で体験することで、裁判が社会の中で果たしている役割の重さを強く実感しました」
「今回の意見交換会を通じて、裁判員の方々の話を聞き、判決に至るまでの責任の重さと葛藤の大きさを知ることができました。市民が司法に関わる意味や制度について、改めて考える貴重な体験でした」

「私は被告人の犯行理由に関心がありましたが、明確な犯行動機がなかったケースについて『生い立ちや犯行状況から動機を推測しているのではないか』と弁護士の方が鋭い指摘をしていたことに、目から鱗が落ちた気持ちでした。裁判員のみなさんも公平性を保ちつつ事実を多面的に見ており、その姿がとても印象に残っています」
「裁判員経験者の方々の生の声を聞くことは初めての経験でしたが、それぞれの扱った事件の特性や自身の経験からくる率直な意見を話されていたのが印象的でした。大変実りのある意見交換会で、今後学びを進めていく上での糧になると確信しています」と感想を述べました。

 引率した冨高講師は、「今回の意見交換会見学に参加するにあたり、冨高ゼミでは事前に裁判員裁判導入前後の量刑の変化などについて、ゼミ生と研究をしてきました。実際に裁判員裁判を経験された裁判員のみなさんがどのような気持ちで量刑に臨んだのか、その生の声を聞くことができたことは、授業やゼミでは得られない貴重な体験だったと思います。学生のみなさんは将来裁判員を務める可能性もあり、今回の見学をきっかけに、刑事裁判や裁判員制度に関心を持ち続けてほしと思います。」と話しています。