広報メディア学科・谷岡理香教授の編著『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス』が刊行されました

文学部広報メディア学科の谷岡理香教授の編著『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス』がこのたび刊行されました。

2009年に世界59カ国で実施された「報道メディアにおける女性の地位調査」(国際メディア財団)では、報道メディアにおける女性の平均参画率は 33%、日本はわずか13%と世界から大きく後れをとっています。本書では現場で働く50代管理職男女と30代の若手男女計30名のインタビュー調査をも とに、日本のテレビ報道が抱える課題を明らかにし、一般市民がテレビ報道を生活者の側に引き寄せるために何ができるのかを問いかけています。

一見華やかに見えるテレビ画面の裏側で、どのような人がどのような働き方をしているのでしょうか。また、報道やジャーナリズムをどう考え、どのようなキャ リア形成を行ってきたのでしょうか。本書では詳細なロングインタビューから、多様な社会の出来事に価値判断をし、ニュースとして社会に広める役割を担う 人々が、実は似通ったライフコースをたどってきたこと、男性と女性のキャリア形成が大きく異なることなどを浮かび上がらせています。さらにテレビのけん引 役を担ってきた人々が抱えるさまざまな葛藤や矛盾なども明らかにしています。

谷岡教授は「調査を通して、日本のテレビ報道を牽引する人々は、経済的に恵まれた家庭環境に育ち、教育レベルも高く、社内でのキャリアの積み重ね方もとて も似通っていることがわかりました。 しかし、現代社会は複雑で、多岐にわたる問題が山積しており、取材する側にも多様な経験を持つ人材が求められています。社会に与える影響力の大きい仕事で すから、一テレビ局内部の問題ではありません。多様な視点をテレビ報道が持つために、私たち市民は何ができるのか、共に考えるきっかけになればと願ってい ます。」と発刊への思いを語りました。

【出版物概要】
書名:『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス』
編著者:林 香里、谷岡理香
出版社:大月書店
定価:2940円(本体2800円)
頁数:285ページ

広報メディア学科・谷岡理香教授の編著『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス』が刊行されました