「時間消費型の新刊書店」をテーマに第1回「町田×本屋×大学」を開催しました

文学部広報メディア学科の加島卓准教授とヨーロッパ文明学科の柳原伸洋講師らが、5月22日に東京都・町田マルイにあるsolid&liquid MACHIDA カフェスペースで第1回「町田×本屋×大学」を開催しました。小田急線とJR横浜線が交差する町田で、両沿線にある学校の学生や生徒、地域住民、通勤・買い物客を対象としたトークショーやブックフェアなどを開くことで、出版文化を応援することが目的。当日は学生や地域住民、書店関係者ら約70名が参加しました。

近年、全国的に大型書店の撤退が相次ぐ一方で、ブックカフェなどを併設し、特徴ある本棚をゆっくり楽しむ個性派新刊書店が増えています。そこで第1回目は、TSUTAYA、オリオン書房、solid&liquid MACHIDAからゲストを招き、加島准教授と柳原講師が聞き手を務めて「時間消費型の新刊書店」をテーマにトークセッションを行いました。「個性派書店にいたるまでにどのような問題意識を持っていたか(過去)」「個性派新刊書店としてどんな課題を抱えているのか(現在)」「これからの新刊書店と街の関係、本屋のあり方(未来)」についてゲストがそれぞれ説明。TSUTAYAは、「娯楽といえば本が挙がった時代から、インターネットが普及し、コンテンツが増えすぎてしまいました。今までは本でしか得られなかった情報をさまざまなもので補える。そこで、“ライフスタイルの提案型”の書店として代官山蔦屋書店がオープンしました」と話します。立川駅周辺に店舗が多いオリオン書房は、「漫画の専門店など、ジャンルが違う店舗を次々にオープンしてきました。より“地域に寄り添った本屋”にしようと、朗読会を開いたりもしています」と言います。また、出版社と書店の間に立って書籍や雑誌を流通させる取次が始めた本屋であるsolid&liquid MACHIDAは雑貨なども販売しており、「今は書店が次々に廃業している時代ですが、販売員がいいと思う本を並べる本屋というところは譲れないと思っています」と話しました。

柳原講師は、「自分と本屋のかかわりをもう一度考え直すのと同時に、本屋を通じた文化づくりに期待したい。今日は学生たちも多く来ていますが、社会で新しいことにチャレンジし、トライしている大人の姿を見て何かを感じてほしい」とイベントを振り返ります。加島准教授は、「このイベントを通して本屋の新しい使い方を考え、提案していければと思います。本屋に足を運ぶ、社会と本屋の関係を考えるいい機会になったのではないでしょうか。今後もさまざまな分野の人が発表し、交流できる場にしていきたい」と語りました。

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