「知のコスモス」講演会「カール・ニールセンの少年時代」を開催しました

文学部北欧学科では10月13日に湘南キャンパスで、第310回東海大学文学部「知のコスモス」講演会「カール・ニールセンの少年時代-自伝に見るデンマークの国民的作曲家」を開催しました。ニールセンは1865年にデンマークのフューン島で生まれた作曲家で、今年は生誕150年にあたります。数多くの交響曲や歌曲などを作曲しただけでなく、自伝文学の傑作とされる『フューン島の少年時代』を残しました。本講演会では、デンマークに45年以上滞在し、同書を日本語訳したコペンハーゲン大学DNP特任教授の長島要一氏が、ニールセンの生涯や作品の魅力を紹介。学生や教職員ら約160名が参加しました。

ニールセンは小作農の12人の兄弟姉妹の第7子として、聡明な両親のもとで貧しいながらも愛情に恵まれて成長。幼少時から音楽の才能を示し、軍楽隊で活躍後、周囲の助けを借りて王立音楽院で学びました。6つの交響曲や弦楽四重奏曲、クラリネット協奏曲、オペラのほか、デンマークの人々の心の琴線に触れる数多くの歌曲を作曲。国民高等学校歌集の制作にも寄与し、デンマークの国民的作曲家と称されるようになりました。長島氏は、豊富なスライドを用いてその生涯をたどりながら、ニールセンが作曲した『霧が晴れる』『デンマークの歌』『交響曲第3番』を流して“デンマーク的”といわれる作品の魅力を解説。また、日本とデンマークの交流に関する自らの研究成果の一部についても紹介しました。

参加者からは、「ニールセンの生い立ちを通じて当時のデンマークの社会状況をも知ることができました。大変興味深い講演会でした」「ニールセンが国民的作曲家となっていく過程を知り、“デンマーク的”とは何かを考えるきっかけになりました」などの感想が聞かれました。

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