北欧学科でフィンランド人作家を迎えて「オーサービジット」を行いました

文学部北欧学科では12月7日に湘南キャンパスで、フィンランド人作家のサラ・シムッカ氏を授業に迎えて「オーサービジット」を行いました。シムッカ氏は2013年にフィンランドで最も歴史のある文学賞であるトペリウス賞を受賞するなど同国の若手作家の中でも注目されており、著作『ルミッキ』3部作は日本をはじめ世界50の国と地域で刊行されています。今回は日本での発売元である西村書店による『ルミッキ』シリーズの完結を記念して、シムッカ氏が来日。各地での書店訪問やラジオ出演といったイベントの一環として、フィンランド語の授業を行っている本学科での企画が実現しました。

当日は、奥田ライヤ非常勤講師が担当する「フィンランド語表現演習」の授業に、シムッカ氏と日本語訳を担当した古市真由美氏、西村書店の担当編集者らが来訪。学生や本学科の教員ら約20名が出席しました。シムッカ氏はまず、「初めて日本に来ました。学生の皆さんとの交流を楽しみにしています」とあいさつ。続いて学生たちがフィンランド語で感想を述べたり、シムッカ氏が本の内容について解説したりと和やかに進行しました。シムッカ氏は学生たちとの会話を通じて、「『ルミッキ』は主人公の名前で、フィンランド語で白雪姫という意味。フィンランドでは人の名前としても使われています。17歳の彼女が事件に巻き込まれていく内容ですが、創作なので少し大げさな表現になっています」と作品について紹介したほか、物語に登場し自らも在住するフィンランド第2の都市であるタンペレ市について、写真や地図を使ってその魅力を語りました。

質疑応答では通訳を務めた奥田非常勤講師の助けも得ながら学生が、「作家になるまでどのような本を読んできましたか」「作品には多くの人種や言語が出てきますがどのような理由でしょうか」などと質問。シムッカ氏は一つひとつ丁寧に回答し、「子どものころから作家になりたいという夢を持ち、お絵描きをしてはストーリーを考え、それを物語にまとめていました。本もたくさん読みましたが、そのお話の中に入り込む瞬間が一番幸せです。私も小説を書いていて同じ気持ちになります。読者の方たちにも同じ経験をしてもらえることが人生にとって幸せなことです」と創作活動に対するモチベーションについて語りました。

参加した学生たちは、「『ルミッキ』を読んで出席しましたが、今回のお話も聞いてぜひタンペレに行きたくなりました」「フィンランド語を学んでいるのでおおまかな話がつかめ、そのうえ奥田先生の通訳によってすみずみまで内容が確認できました。日々の学習の成果を生かせたと思います。作品ではフィンランドにおける10代の女性の感性がとても良く表現されていて、実際にそれを書かれた方とお会いできて、大変楽しく感じました」と口々に感想を語っていました。本学科の福井信子教授は、「学生たちにとっては、現代のフィンランドについて身近に知るよい機会になったのではないでしょうか。今後の学習に向けて意欲を高めるきっかけにしてもらいたい」と話しています。

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