知のコスモス講演会「能・謡曲と源氏物語 第一回 『夕顔』『半蔀』」を開催しました

文学部日本文学科では2月21日に湘南キャンパスで、第319回知のコスモス講演会「能・謡曲と源氏物語 第一回 『夕顔』『半蔀』」を開催しました。日本古典文学の華として多くの人に愛されながらも、必ずしも愛好者が重ならない能・謡曲と『源氏物語』を取り上げ、日本文化・国際文化として世界にも知られている両者をリンクさせながら、学術的な観点から一般の方にもわかりやすくその魅力を解き明かそうと企画したものです。当日は天候に恵まれたこともあって、140名を超える参加者がありました。

第1部では、『源氏物語』の夕顔について-文学的見地から」と題して、本学科の下鳥朝代准教授が『源氏物語』の本文をもとに登場人物の一人である夕顔を紹介。光源氏との恋について、源氏の父・桐壺帝と母桐壺更衣の悲恋、唐代の詩人・白居易の『長恨歌』と関連させながら、原作の持つ長編物語としての魅力を紹介しました。続く第2部では、小林千草元教授(文学部・ペンネーム千草子)が「能・謡曲の『夕顔』『半蔀』とその間(アイ・間狂言)-間狂言から探るドラマの展開力」のテーマで講演。能・狂言の詞章研究においてこれまであまり重視されることのなかった間狂言における語りの力・意味に着目し、「歴史(ヒストリア)の語り手としての“間”の役割を明らかにすることをきっかけとして、『源氏物語』の夕顔を題材とした能『夕顔』『半蔀』のドラマを読み直しました。会場には能楽ファンや謡をたしなむ来場者もおり、「あらためて間について考えるきっかけになりました」との感想が聞かれました。

なお本公演会は5回にわたる開催を企画しており、来年度も継続する予定です。

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