文芸創作学科の学生が「夏目漱石作品POPコンテスト」で岩波書店賞を受賞しました

文学部文芸創作学科の深谷幸妃さん(4年次生)がこのほど、神奈川近代文学館主催の「夏目漱石作品POPコンテスト」で岩波書店賞を受賞しました。このコンテストは、同館で3月26日から5月22日まで開催された特別展「100年目に出会う 夏目漱石」の関連企画として、夏目漱石作品の魅力を広めることを目的に実施されたもの。全国から集まった242作品の中から、朝日新聞社賞3作品、岩波書店賞3作品、神奈川近代文学館賞4作品、ビジュアル賞2作品が選出されました。

深谷さんは、本学科の開講する授業「文学精読」の一環で同コンテストに参加しました。夏目漱石の代表作の一つ、『こころ』を題材に、「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」、「恋は罪悪ですよ」といった自身の印象に残ったフレーズを全面に押し出したPOPを作成しました。コンテストを主催した近代文学館では、受賞理由を「漱石作品の中でも、『こころ』は決めゼリフの宝庫だということを改めて気づかせてくれるPOP」と発表しています。

深谷さんは、「実はこれまで、漱石の作品は『こころ』しか読んだことがありませんでした」と苦笑いを浮かべ、「デザインセンスのない私が、POPを作ると聞いたときには、正直困惑しました。それでも、賞をいただけたのは、漱石の言葉の力があったからこそ。受賞を機にほかの作品を読むきっかけにもなりました」と語りました。指導に当たる山城むつみ教授は、「本の内容や作品の意図を本当に理解していなければ、他人に魅力を伝えることはできません。今回の受賞は、深谷さんがしっかりと作品を分かっていたからこそ。人の目をひきつけるインパクトのあるデザインも評価されたのではないでしょうか」と話しました。

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