アメリカ文明学科の吉田晃章講師が平塚市のイベントで「アンデス文明と土の象形」をテーマに講演しました

10月8日と15日に湘南キャンパスで開催された平塚市教育委員会主催の講座「考古学の世界」で、文学部の教員が講演しました。このイベントは、東海大学文明研究所「文化遺産をめぐる課題2」プロジェクトの協賛により、「平成28年度平塚市民・大学交流事業」として行われたものです。8日にはアメリカ文明学科の吉田晃章講師が「アンデス文明と土の象形 収蔵品にみる先住民の世界観」と題して、15日にはアジア文明学科の山花京子准教授が「東海大学所蔵古代エジプトコレクション」をテーマに講演し、両日ともに多くの市民らが参加しました。

8日の講座では吉田講師が、土器や織物を中心に約1700点にのぼる貴重な遺物を収蔵している「東海大学アンデスコレクション」を紹介。続いて、アンデス文明前期の「チャビン文化」「モチェ文化」「ナスカ文化」の特徴や同時代の国家、宗教、人々の生活などについて、本学所蔵の遺物と関連付けながら、スライドを使って解説しました。また、アンデス山脈周辺の多様な自然環境とアンデス文明との関係についても触れ、「アンデス地域には、砂漠や雪山、熱帯雨林といった人間にとって過酷な環境がありますが、人々はそれを上手に利用して文明を発展させました。アンデス先住民の世界観は、豊かな自然環境から生まれたといえるでしょう」と語りました。

講演後は別教室に会場を移し、象形土器や織物、アクセサリーなど、本学所蔵のコレクション約30点を見学。参加者は吉田講師の説明のもと、信仰の対象とされていたジャガーやピューマを形取った「ネコ科動物神象形鐙形壺」や、戦闘のシンボルが描かれた「人物座像付武器模様鐙形壺」、アンデスの儀礼に欠かせないコカの葉を入れていた「ラクダ科動物文様袋」などを、実際に手で触れながら鑑賞しました。

参加者からは、「考古学は難しいと思っていましたが、視聴覚教材を使ってわかりやすく解説していただいたので、初心者でも楽しめました」「貴重な遺物に触れることができて感動しました」といった感想が聞かれました。

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