日本史専攻の学生が資料整理に協力しています

歴史学科日本史専攻の「日本史情報処理」、「史料管理学演習」などの授業を担当している教育開発研究センター教授の馬場弘臣先生が中心となって進めている資料整理に、夏期休暇中の日本史専攻の学生や文学研究科史学専攻の大学院生が参加・協力しています。

整理の対象は、舞台や映画、テレビドラマなどで活躍した俳優緒形拳が残した芸能関係の資料群です(緒形拳については下記参照)。馬場先生は、その歴史的価値について、次のように説明しています。「戦後の芸能史を彩った名優緒形拳さんは、その俳優人生を物語る台本や写真、書簡などの資料を大量に残されていました。2018年にご遺族の依頼を受けことから、これらの資料群の整理作業をはじめましたが、戦後の芸能史や大衆文化史、さらにはその背後にある時代の動きを明らかにする貴重な資料群であることがわかってきました」。

こうした重要な意義をもつ資料の整理作業に参加している3年生の小玉さんは、「歴史的価値のある史料の保存作業に参加できて楽しく、また感動するし、史料管理学演習で学んだ経験が活かせる」、と話してくれました。

*緒形拳について
本名は緒形明伸で、1937年7月20日東京府牛込区(現・東京都新宿区)に生まれ、2008年10月5日に他界。
高校時代から劇作家北條秀司作「王将」に憧れ、1958年に北條の紹介で劇団新国劇に入団。1960年、「遠い一つの道」で新国劇および映画に主演デビュー。1965年には主演の豊臣秀吉を演じたNHK大河ドラマ「太閤記」で人気を博した。1968年に新国劇を退団した後、多くの映画やテレビに出演し、1978年には「鬼畜」で初の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。その後も2008年に亡くなるまで、映画・テレビ・舞台で、時代劇、現代劇を問わず幅広く活躍した。
《代表作》
舞台:遠い一つの道(1960年初演)、王将(1975年初演)、信濃の一茶(1993年初演)、ひとり芝居~白野(2006年初演)
映画:鬼畜(松竹・1978年)、復讐するは我にあり(松竹・1979年)、楢山節考(松竹・1983年)、魚影の群れ(松竹・1983年)、火宅の人(東映・1986年)
テレビ:太閤記(NHK・1965年)、必殺仕掛人(テレビ朝日・1972年)、峠の群像(NHK・1982年)、風のガーデン (フジテレビ、2008年)
緒形拳が残した資料群とその整理作業に関心をもたれた方は、下記のサイト、YouTub動画もご参照ください。
情報史料学研究所
 http://www.ihmlab.net/tweet/
緒形拳研究会
 http://ogataken-kenkyukai2020.nekohappy.com/
緒形拳アーカイブ・カフェ
 https://youtu.be/Sj56kMpOmLI