海洋学部の学生たちが「しずまえ~お魚図鑑~」を制作しました

海洋学部水産学科食品科学専攻の後藤慶一教授とゼミ生を中心とした学生11名がこのほど、「しずまえ~お魚図鑑~」を制作しました。「平成29年度しずおか中部連携中枢都市圏地域課題解決事業」に採択された「専門的知見による『しずまえ~お魚図鑑~』の制作」として約半年かけて取り組んできたもの。地域課題解決事業は、静岡県中部の5市2町(静岡市、島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、吉田町、川根本町)の市役所の各部署などが提案した課題を県内の大学が協力して解決する取り組みで、毎年実施されています。

テーマになっている「しずまえ」とは、静岡市の駿河湾沿岸地域(静岡の前)を指す言葉で、この地域にある由比漁港、清水港、用宗漁港で水揚げされる魚は「しずまえ鮮魚」と呼ばれています。後藤教授と学生は何度もブレインストーミングを重ね、「食」と「しずまえ鮮魚」を絡めて幼稚園児から小学校低学年の児童に魚の特徴や重要性、機能性、一つひとつの食べ物がどういう過程を経て食卓にやってくるのか、どのような食べ物を選べば健康的に過ごせるかなどを盛り込み、さまざまな角度から食育を促す図鑑を目指して制作してきました。17種類のしずまえ鮮魚を「しずまえ学校1年SEA組」の先生と児童に見立ててキャラクター化し、「ベテラン教師マダイ」「クラスのガキ大将サワラ」「そっくり三つ子シラス」などの名前をつけて、それぞれが日直となって「好きな食べ物」「特徴」などを自己紹介する構成。東海大学海洋科学博物館や海洋学部の各研究室から提供してもらった写真と、料理の写真やレシピ、学生が書いた水彩画なども掲載しています。さらに、ぬりえやクロスワードパズル、「折り紙で海の仲間を作ろう」といったコーナーや、付属のシールを貼りながら学べる食育クイズも掲載しています。

後藤教授は、「料理のレシピは短期大学部食物栄養学科の高塚千広准教授にも考えていただき、海鮮食屋『福一丸』に1日で17品を調理してもらって写真を撮影しました。魚の紹介文については付属静岡翔洋小学校の秋原治芳先生に、折り紙のコーナーは折り紙作家の山田勝久氏に協力してもらっています。普段は食品科学を学んでいる学生たちなので、図鑑の制作には苦労していましたが、たくさんの人の協力を得て、いい図鑑ができたと思います」と語ります。学生たちは、「小学生が読んでわかる内容にするのが苦労しました。一度読んで終わりではなく、レシピを見ながらお母さんと料理したり、ぬりえやクロスワードパズルも楽しんだりしてほしい」と語りました。

3月19日には学生たちが静岡庁舎で髙木強清水区長や川崎豊農林水産部長らに完成した図鑑を贈呈。川崎部長は、「魚の説明だけでなく、料理がセットになっている発想が面白い。さまざまなところで食育に活用していきたいと思います」と語りました。今後は静岡市内の全小学校に配布されるほか、図書館にも置かれる予定。今回の制作を担当した水産漁港課しずまえ振興係では、イベントなどで配布するキャラクターを使ったシールやトランプを制作しているほか、図鑑の一部は今後、小中学生向けの教科書などにも活用される予定です。

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