離島防災セミナーを開催しました

海洋学部と海洋研究所では3月5日に、沖縄県・石垣市総合体育館研究室で、石垣市との共催による離島防災セミナー「災害を知り、災害から身を守る」を開催しました。2014年に同市と締結した「包括的な提携に関する協定」に基づいて実施したもので、地域社会の発展や学術文化の振興、人材の育成に寄与することを目的としています。

当日は、地域住民や海洋分野の研究者、防災の専門家らが多数参加。本学からは、海洋研究所の長尾年恭所長が登壇し、「地震予知研究の最前線と防災対策」をテーマに講演しました。また、本学部の山田吉彦教授がコーディネーターを務め、アルミ浮揚型津波シェルター(津波救命艇)を開発したツネイシクラフト&ファシリティーズ株式会社代表取締役の神原潤氏と長尾教授による意見交換会も実施。長尾教授は、「海底地滑りによる津波は予測できないため、海岸沿いで揺れを感じたら逃げるという知識を広げること」「土日や夜間でもきちんと津波避難ビルに入れるような手段を構築しておく必要性」などを訴え、日ごろからできる対策などを紹介しました。一方神原氏は、「『業務等でどうしても避難が遅れる人をいかに助けるか』といった観点からシェルターを開発した」と経緯を紹介し、機能などの概要が説明されました。さらに山田教授は、「どこに避難できる場所があるかハザードマップで周知する必要がある」と指摘。また観光客対応についても、「これから美崎町の再開発が進むため、美崎町に多く訪れる観光客をどこに避難させるかといった戦略と、避難ビルの確保が必要」と提言したほか、「地域性を考え、台湾などからの救援の仕組み等も確立しておくことが肝要」と語りました。そのほかにも会場では津波シェルターが展示されるなど、離島での防災意識を高める催しが行われました。

離島防災セミナー (2)_341.jpg

離島防災セミナー (3)_341.jpg

離島防災セミナー_341.jpg