海洋研究所の長尾所長が「第120回ふじのくに防災学講座」で講演しました

東海大学海洋研究所の長尾年恭所長が9月14日に、東海大学短期大学部で開かれた「第120回ふじのくに防災学講座」(主催:静岡県地震防災センター、共催:東海大学海洋学部、海洋研究所)で講演しました。静岡県では、県内の国公私立大学(静岡大学、浜松医科大学、静岡県立大学、静岡文化芸術大学、常葉大学、東海大学)と県教育委員会、静岡地方気象台及び報道機関各社等による「しずおか防災コンソーシアム」を形成しており、本講座はこのコンソーシアムが実施する防災に関する啓蒙活動の一環として県内各地で定期的に開かれています。当日は市民ら約80名が参加しました。

長尾所長は、2016年から18年まで内閣府の「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」に携わった経験を踏まえて、「南海トラフ巨大地震への政府対応策の課題と最近の当該地域の地震活動変化―内閣府作業部会に参加して―」と題して講演。調査部会での研究では、南海トラフ沿いの巨大地震で起こり得る前兆現象や破壊の様子などはある程度予測できるものの、「住民が自ら避難行動を取る気を起こさせるような“確度の高い予測”はまだ難しい」と説明。また、「地震研究が進歩していることから、政府や関係各所から発信される情報が多くなり、振り回されてしまう方もいるかもしれません。我々研究者はできるだけ正確な情報を発信できるよう努めていきますが、静岡県民の皆さんには、数ある情報を取捨選択し、適切に活用できるよう情報リテラシーを高めてもらいたい」と訴えました。参加者の中には熱心にメモを取る方も多く、講演後は地震予知に関する質問も多数寄せられ、活発な議論が交わされました。

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