伊勢原キャンパスの医学部付属病院で6月30日に、「第3回スポーツドクターセミナー」を開催しました。このセミナーは、スポーツ選手のけが予防や競技復帰支援、超高齢社会における運動器障害の予防に関する啓発などを目的として活動するNPO法人とうかいスポーツ&整形振興会(代表:渡辺雅彦病院長)が企画したものです。今回は、プロ野球のチームドクター2名が講演。本病院や近隣医療機関の医療従事者をはじめ、文部科学省「高度医療人材養成拠点形成事業」の選定を受けて展開している「スポーツ医学と運動器を中心とした先端医療国際リーダー育成プログラム」のリサーチアシスタントを務める学生、大学院生、アスレチックトレーナーを目指す体育学部の学生ら約60名が参加しました。
初めに、整形外科の酒井大輔診療科長(医学部医学科教授)がセミナーの趣旨を説明し、講師を紹介しました。続いて、千葉大学大学院医学研究院整形外科学に所属し、埼玉西武ライオンズのチームドクターを務める岩田秀平氏と、横浜南共済病院スポーツ整形外科部長で横浜DeNAベイスターズのチームドクターを担当する山崎哲也氏が講演。野球選手に多いけがと、その診断・治療・リハビリテーション法をはじめ、自身がスポーツドクターを目指した経緯やスポーツドクターの役割、選手とのかかわり方、今後の展望などについて語りました。


その後の座談会では、幼少期から現在まで野球を続けている医学科6年次生の田中健敬さんと5年次生の寺田光輝さん、2年次生の藤田駿さんが講師と共に登壇し、自身のけがやリハビリテーションの経験を紹介。講師は、成長に応じたトレーニングの重要性や、リトルリーグからプロ野球まで一貫してスポーツドクターが関わる意義、保護者と関連団体との連携の大切さについて語りました。終了後の懇親会でも、参加者が講師に積極的に質問し、意見を交わす姿が見られました。
野球のスポーツドクターを目指す学生は、「野球選手に対する医師としての支援の実際や心構えを学べてよかった。自分が理想とする医師像が見えてきました」と目を輝かせ、大学院生は、「選手や関係者と丁寧にコミュニケーションをとり、信頼関係を築く大切さをあらためて認識しました。学生アスリートの支援拠点として構築を進めている『TOKAI SPorto Med Hub』の充実を目指し、さらに広く深く学びたい」と意欲を見せていました。

