医学部付属病院が「肝疾患医療センター市民公開講座」を開催しました

医学部付属病院では9月6日に伊勢原キャンパスで、「肝疾患医療センター市民公開講座」を開催しました。当院は、神奈川県から肝疾患診療連携拠点病院に指定されており、本センターが診療ネットワークの整備や診療に関わる人材の育成、相談支援などに取り組んでいます。この講座は、肝臓病の診断・治療や予防に関する最新情報を提供するため、神奈川県と共同で毎年実施しているものです。今回は当院の医師ら6名が講演をおこない、患者や近隣住民、保健医療福祉関係者ら多数が参加しました。

初めに、総合司会の加川建弘センター長(医学部医学科教授)が、本センターの活動と講座の趣旨を説明。続いて、伊勢原市保健福祉部健康づくり担当部長の宮川章則氏が、「伊勢原市の医療を中心になって担ってくださっている東海大学医学部付属病院の先生から肝疾患の治療や予防について学ぶ機会です。ぜひ、ご自身や家族、友人の健康の維持・増進に役立ててください」と挨拶しました。

第一部では、消化器内科の医師が、「自己免疫性肝疾患」「肝硬変」「肝がん」の原因や病態、診断・治療法について解説。臨床検査科の医師は、B型肝炎の感染経路やワクチン接種の意義を説明するとともに、免疫異常や化学療法などが原因で引き起こされるB型肝炎ウイルス再活性化への注意を呼びかけました。第二部では、薬剤師が薬の相互作用(飲み合わせ)について説明し、管理栄養士が脂肪肝に対する食事療法と運動療法を紹介。最後に総合相談室の社会福祉士が、肝疾患に関する医療費助成制度について説明しました。

閉会の挨拶では、一般社団法人秦野伊勢原医師会長の秋澤孝則氏が参加者と関係者への謝辞を述べ、加川センター長が、「今後も地域の皆さまにとって有用な情報をお知らせするとともに、保健・医療従事者の方々と連携し、適切な診断・治療に努めていきます」と結び、盛会のうちに終了しました。

なお、講演のテーマと講演者は以下のとおりです。
【総合司会】
 加川建弘教授(肝疾患医療センター長、消化器内科診療科長)
【開会の挨拶】
 宮川章則氏(伊勢原市保健福祉部健康づくり担当部長)
【第一部】
 司会:庄村雅子教授(医学部看護学科)
1「自己免疫性肝疾患について
  荒瀬吉孝准教授(消化器内科医師)
2「肝硬変・肝がんの診断と治療」
  鶴谷康太講師(消化器内科医師)
3「B型肝炎再活性化に注意」
  後藤和人教授(中央臨床検査センター長、臨床検査科医師)
【第二部】
 司会:鴨川七重看護師(医学部付属病院看護部)
4「薬物相互作用について」
  永山佳奈薬剤師(薬剤部薬剤科)
5「肝臓にやさしい食事」
  山本志保管理栄養士(診療技術部栄養科)
6「肝疾患の医療費助成」
  倉橋慎太郎係長(総合相談室)
【閉会の挨拶】
 秋澤孝則氏(秦野伊勢原医師会長)
【主催】
 東海大学医学部付属病院、神奈川県
【後援】
 伊勢原市、足柄上医師会、小田原医師会、茅ケ崎医師会、中郡医師会、秦野伊勢原医師会、平塚市医師会