デフバレーボール世界選手権大会で本学の学生と卒業生が日本代表の初優勝に貢献しました

沖縄県・豊見城市民体育館で6月21日から30日まで、聴覚障がい者によるバレーボール「デフバレーボール」の世界選手権大会が開催され、体育学部生涯スポーツ学科2年次生の高浜彩佑生選手と本学卒業生の中田美緒選手(2022年度体育学部卒)が女子日本代表として出場。女子は5カ国が出場した今大会、日本は予選リーグを3勝1敗で通過すると、準決勝でトルコに3―0とストレート勝ち。決勝ではアメリカを3―1で破り、同大会日本初となる優勝を果たしました。

デフバレーは通常のバレーボールと同じルールで行われ、補聴器は着用せず手話やハンドサインなどでコミュニケーションを取りながら試合を進めます。高浜選手と中田選手は共に神奈川県平塚ろう学校出身で、現在は県内のクラブチームに所属。月に一度日本代表の合宿に参加し、2022年にはブラジルで開かれた聴覚障がい者による国際総合スポーツ大会の夏季デフリンピック競技大会にも出場しました。ブラジル大会では準々決勝まで勝ち進んだ後、他競技の日本選手団に新型コロナウイルス感染者が多発したため試合を棄権。その悔しさから2人は、「当時の気持ちを背負って勝ちにこだわろうと臨んだ」と話します。中田選手は全試合にスタメンで出場してベストセッター賞にも選出。「他国より高さがない分、ブロックアウトや相手コートの穴を狙う攻撃などを工夫し、自分たちのリズムで攻めることができました。初の自国開催で優勝でき、日本のデフバレーの歴史が変わる場面に立ち会うことができてとてもうれしい」と振り返りました。

高浜選手は、1試合のみの出場だったものの、大会期間中は出場選手のサポートやベンチからの応援に尽力。観客と一緒に応援できる方法をメンバー間で考え、日本代表の公式SNSで応援のコールと振り付けを投稿するなど、チームの躍進を後押ししました。大会を振り返り、「なかなかコートに立てず悔しい思いをしましたが、メンバーの一人として最後まで役割を果たすことができたと思っています。チームの目標は来年東京で開催されるデフリンピックでの金メダルなので、それまでにサーブを強化し、相手のリズムを崩してチームを盛り上げられるプレーをできるようになりたい」と先を見据えます。また、夏期・冬期休暇中は湘南キャンパス女子バレーボール部の練習にも参加しており、「全国大会での優勝経験もある強豪チームであり、練習の雰囲気もよくメンバーの一体感がすごく、学ぶことが多い。デフリンピックまでに誰よりも練習し、日本代表でのスタメン定着を目指して頑張りたい」と語っています。