理学部数学科の長井秀友准教授が「2024年度ティーチング・アワード」優秀賞に選ばれ、4月1日に湘南キャンパスで行われた授賞式で濱本和彦副学長(教育担当)から賞状と目録を授与されました。本学では教育の質向上を目指し、2002年度から優れた授業を行う教員らを「ティーチング・アワード」として顕彰しています。学生による授業についてのアンケートなどの結果に基づき、学長室を中心とした厳正な審査を経て決定されるもので、24年度は5名に優秀賞を授与しました。


長井准教授は昨年度、主に「微分積分1A・1B」や「微分積分学演習」などの授業を担当しました。「これらの授業は1年次生を対象としているため、“今は全部を理解するのは難しいかもしれないけれど、ここを抑えておけば大丈夫”と要点を絞り、授業後に復習できるよう授業支援システム『Open LMS』に回答の詳細を載せています。また、100分間の授業は長く集中力を保つことが難しいため、間に小テストを挟んで授業への目的意識を持ってもらえるよう工夫しています」と話します。授業は板書をメインとする一方で、学生が授業中に専門用語を調べる手段として生成系AIを利用することも推奨しています。「数学は奇をてらった手法よりもシンプルな板書の方がわかりやすいと考えています。AIは今やほとんどの企業が取り入れている技術の一つなので、活用するきっかけづくりにもなれば」と話しています。
受賞について、「1年次生の授業では4年間の基礎づくりを意識し、目標に向かって努力する力を身につけてもらいたいと考えて取り組んできたので、評価していただけたことをうれしく思います。主に計算方法を学ぶ高校の数学と異なり、大学では定義や定理の証明が多くなるため、身近な生活を例にとって意味を伝えることも意識しています。現象を論理的に説明し、曖昧な回答がない“厳密さ”という数学の魅力を学生たちにも感じてもらえたらうれしい」と語りました。