観光学部の学生が万博会場でサイパネティック・アバターに関する研究成果紹介の案内役を務めました

観光学部の佐藤雅明准教授の研究室で学ぶ3年次生4名が、8月2日から4日まで大阪・関西万博会場内の「フューチャーライフエクスペリエンス」で開催中の企画「ムーンショットパーク~見て!触れて!感じる!新・未来~」に参加。最先端のサイバネティック・アバター技術を体験する期間展示「Cybernetic being Life」の案内役を務めました。この展示は、佐藤准教授が参画する国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「ムーンショット型研究開発事業」の目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」内の研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」の研究成果の一端を紹介するものです。

展示は、遠く離れた場所や移動が困難なパイロット(遠隔操作と接客を行うスタッフ)が操作するロボットや、陶芸における匠の技能を機器を通じて「記録・再生・共有すること」を可能にするデバイスなどを通して、新しい身体でさまざまな能力を手に入れる未来社会を体験してもらうものです。学生たちは、研究内容を来場者に説明するとともに、東京や沖縄にいるパイロットが遠隔操作する接客ロボット「OriHime」をアテンドするなどしました。

堀内日南子さんは、「遠隔操作ロボットである『OriHime』が“AIロボット”だと思っている方も多く、“このロボットの向こう側に人がいて接客している”と説明するととても驚いていました。来場者に分かりやすい言葉で説明し、伝えられた経験は就職活動でも役立つと思います」と手応えを話しました。手嶋瑞樹さんは、熟練の技を持つ職人の指先の振動や繊細な力加減、土の感触がデバイスを通して感じられる「陶芸体験コーナー」の説明を担当。「体験型展示なので、言葉で説明するよりもとにかくやってもらおうと“陶芸家の感覚を体験できますよ”と声をかけました。自分が現場で体験して得た感動を共有するなど伝え方も工夫したので、この経験を残りの大学生活で生かしたい」と話しました。

会場には海外からの来場者も多く、河村爽良さんは、「英語で説明するのは大変でしたが身振り手振りも交えて伝えました。プロジェクトに参加している他大学の研究者とも交流できて貴重な経験でした」と話しました。勝澤愛梨さんは、「分からないことばかりでしたが、自分なりに研究内容を調べて現場に臨みました。人間の持つ可能性の大きさに気づき、多くの人が共にプロジェクトに取り組む様子を目の当たりにして多くの学びを得ました」と充実した表情を見せていました。

佐藤准教授は、「インターネットを通じ、ロボットやデバイスを通じて多様な体験ができる技術は、高齢者や移動が困難な人たちが社会とつながりを持ち続けられる未来に役立ちます。私たちはこれからロボットと共存する社会を学ぶ必要があります。学生たちには、現場で出会った多様な研究分野との連携で広がる観光学の可能性や、今回の万博での経験を通じて、未来の社会を自分たちでつくる気持ちを持ってほしいと思います」と話しています。