法学研究科 法律学専攻(博士課程<前期・後期>)

本研究科は、博士課程前期および博士課程後期共に、建学の精神を基礎とした法学研究と法学教育を通じて社会に有為な人材を育成することをその設置理念とする。

本研究科の経緯としては、現代社会のニーズに適合した高度な法律学を修得した中堅的な法律専門家および指導者を養成することを目的として、1990年4月に修士課程として発足し、さらに、1993年度には、修士課程における法学教育の完成と法学研究者の養成を推進するために、修士課程の3専攻(公法・経営法・国際法比較法専攻)を統合する形で法律学専攻博士課程後期を開設した。また、この博士課程後期の開設と同時に、修士課程を法律学専攻博士課程前期と改称した。

さらに2004年度、専門職大学院実務法学研究科(法科大学院)の設置によって博士課程前期における一部の法律実務家(法曹三者)養成の役割の中心が法科大学院へ移行したため、博士課程前期を中心に定員を若干削減し、同時に博士課程前期の3専攻を法律学専攻に統合した。これにより博士課程前期および博士課程後期ともに法律学専攻に統一されることになった。

法律学専攻博士課程前期が養成しようとしている人材と教育システム

上記で述べたように、法律学専攻博士課程前期の教育目的は、博士課程後期への進学希望を持つ各分野の教育研究職志望者の基礎的育成を行うとともに、博士課程前期修了後に社会において大学卒の中堅層を指導する法律専門家・指導者を志す者に学部教育よりも高度な専門的法学教育を行うことにある。すなわち、このような資質を身につけた人材の養成こそが博士課程前期の目的にほかならない。

この目的を達成するために、さまざまな法分野におよぶ広範かつ多様な法律専門科目を用意して幅広い学習を可能にするとともに、強い専門性を持った学習をも可能にするカリキュラムを用意している。さらに、学部段階の法学教育を受けていない者が効果的に高度な専門知識を修得できるようにするため、一定の条件の下で専攻科目に関連する法学部開講専門科目を履修することも可能にしている。

法学研究科では、専門教育の充実をはかるために研究指導教員制を採用している。法律学専攻博士課程前期の修了要件は、研究指導教員の担当する法学演習1~4(計8単位・必修科目)を含み、総計32単位以上修得することである。演習Ⅳでは、研究指導教員の指導の下、修士論文を作成し、口頭試問を経て論文審査に合格しなければならない。したがって、大学院生は社会のさまざまな事象に幅広く関心を抱き、そこから法的問題を探り、それを解決するためのさまざまな方法や考え方を学び、自分なりの解決策を提示する必要がある。そして、そのためには幅広い講義科目や奥の深い演習科目を十分に学び、問題発見解決能力を養成することが求められる。

法律学専攻博士課程後期が養成しようとしている人材と教育システム

法律学専攻博士課程後期は、博士課程前期を修了した者が自らの専門研究を通じて研究者としての能力を養成するとともに、その研究をさらに発展させ、最終的には博士論文を完成させて博士号を取得することを主たる目標としている。すなわち、博士課程後期が養成しようとしている人材は、法学教育を担える法学研究者および深い専門学識を備えた法律専門職である。また、各自の研究の発展の方向性については、自らの専門の研究を深化させることだけではなく、隣接諸分野の専門知識とのより高度なレベルでの統合ないしは総合をはかることもまた目標としている。

この教育目標を達成するために、博士課程前期と同様に研究指導教員制を採用している。大学院生は研究指導教員の指導の下に自らの研究の深化と発展を追及する。とくに、研究指導教員の担当する法学研究演習3~6(計8単位)は必修科目となっており、大学院生はこの演習を通じて博士論文作成に向けた指導を受ける。修了要件は40単位以上の単位を修得することであるが、博士論文の作成を主眼とするという博士課程後期の特質から、一定の単位数まで博士課程前期で修得した単位を充当できる制度も用意している。

研究科の学位授与基準

1.博士課程前期

法学の研究者又は法律専門家の基礎となる専門知識と学識を有するとともに、法的問題を発見・分析し、その解決策を提示することができる能力を備えていると認められた者に学位を授与する。

2.博士課程後期

法学の研究者又は法律専門家としての高度な専門知識と深い学識を有するとともに、独創的な観点から法的問題を発見・分析し、その解決策を十分な説得力を持って提示することのできる能力を備えていると認められた者に学位を授与する。

研究科の学位論文審査基準

1.博士課程前期

学位論文の合否は、以下の項目を主な審査要素として、総合的に判断して決定する。

  1. 1.研究テーマおよび目的が明確であるか。
  2. 2.研究テーマとの関係において研究内容と研究方法が適切であるか。
  3. 3.研究テーマに関係する情報の調査・収集・分析が適切に行われているか。
  4. 4.論文の分量と構成(論旨展開を含む)が適正といえるか。

2.博士課程後期

学位論文の合否は、以下の項目を主な審査要素として、総合的に判断して決定する。

  1. 1.自立した研究を行う能力を申請者が有していることを示しているか。
  2. 2.高度な専門知識と深い学識を申請者が有していることを示しているか。
  3. 3.研究内容や研究方法等に独自性・独創性や国際性が認められるか。
  4. 4.当該研究分野の発展に寄与しうる内容を有しているか。