政治学研究科 政治学専攻(博士課程<前期・後期>)

政治学の今日的意義

21世紀は、国際的にも国内的にも、多様性と統一化の摩擦と再調整の時代である。正に政治の時代であるといえる。国際的には、グローバル化の波は世界の隅々まで押し寄せ、地域紛争や宗教対立、国際経済変動などが多発し、それに対して国際社会も国際組織も十分に機能しているとはいえない。また、地球環境の危機、発展途上地域における経済の停滞や人口増加など複雑多岐な諸問題が目白押しである。国内的にも、財政の危機的状況を直接的な原因として様々な政治的問題が生じているのみならず、高度情報化や少子高齢化、都市問題、地方経済の後退などを背景として、地方分権化は今日的緊要の課題である。

政治学研究科が養成しようとする人材

本研究科は、建学の理念に基づき、上記の認識の下、グローバル化とローカル化、多様性と統一性、分権化と集権化の衝突の中で、わが国および世界の経済的、社会的、環境的な持続可能性を実現する新しい政治理論とその応用を探究する。

本研究科は、この目標を達成するため、博士課程前期では、広く社会科学を包含する学際的視野をもち、複雑な政治現象を解明してその諸課題を合理的に解決するために必要な政治学的学識を身につけ、知的生産の高い研究能力または高度の専門性を要する職業に必要な能力と、この能力に裏打ちされたリーダーシップを養うことを目指す。さらに、博士課程後期では、博士前期での学修を基礎として、政治学分野における研究者としての自立した研究能力またはその他の高度に専門的な業務に必要な能力と、この能力に裏打ちされたリーダーシップを養うことを目指す。

組織的な教育活動の展開

本研究科は、教育研究上の理念・目的を具体化し、人材養成の目標を達成するために、次の5つの教育研究を基軸として組織的に教育活動を展開する。

第1は、政策科学的教育研究で、ここでは社会科学各専門分野が蓄積してきた知識と理論・思想に立脚しつつも、最新の分析手法を積極的に取り入れ、実証的な政治分析方法の修得を目指す。第2は、政策分析的教育研究で、ここでは実践的な公共政策研究活動の一環として地方政府の政策立案者との交流を通じて実際の政策形成に関する学修の機会を提供する。第3は、動態的教育研究で、ここでは政治に関する最新の知識・情報を提供することにより、政治現象を診る視点をつねにダイナミックなものにする指導を行う。第4は、歴史的教育研究で、ここでは今日の政治現象を歴史的構築物としての社会との関連で捉え、政治を歴史的に分析し、検証する視点と手法を修得するよう指導する。最後は、学際的教育研究で、ここでは政治を、社会科学の各専門分野を総動員して、多面的・複眼的に理解し、分析しうる能力を修得できるように指導する。

三コース制の採用

政治学研究科は、政治学研究、地方行政研究、そして国際政治学研究の三コースから成る。この制度は、政治学という広い専門領域において、明確な目的意識をもった科目履修ができるようにするために導入された。政治学研究コースでは主として動態的教育と歴史的教育を、地方行政研究コースでは主として政策科学と政策分析を、そして国際政治学研究コースでは主として学際的教育を重視した指導を行う。なお、三コースに分かれてはいるが、学生は研究テーマに従って、主体的に(コース横断的に)科目履修ができる。

研究科の学位授与基準

1.博士課程前期(修士課程)

  1. (1)明解な文章を作成する能力
  2. (2)資料収集の技術
  3. (3)論文を効果的に構成する力
  4. (4)論理的に思考する力
  5. (5)資(史)料を批判的に読み込む力

2.博士課程後期(博士課程)

博士課程前期の5つの基準に以下の2つの基準が加わる。

  1. (1)学会で発表できる力
  2. (2)独創的であること

研究科の学位論文審査基準

1.博士課程前期(修士課程)

  1. (1)論文の分量が適切である。
  2. (2)文献の引用・使用の適切性:引用文が 「 」 を用いて表現されており、引用文献が注に明記されている。
  3. (3)論文作成の技術力:構成に努力と工夫のあとが認められ、図表や年表等が効果的に用いられている。
  4. (4)理論的考察の妥当性:テーマと方法論が明記され、テーマに即した結論が導かれている。
  5. (5)史料の批判的検討力と歴史的妥当性:多くの史料に当たり、歴史的に妥当な読解に努めている。

2.博士課程後期(博士課程)

博士課程前期の5つの基準に以下の4つの基準が加わる。

  1. (1)学界への貢献が認められる。
  2. (2)概念的枠組みがしっかりしており、かつ方法論が確立されている。
  3. (3)独創性に富む。
  4. (4)先行研究を含む研究領域の考察と論文の位置づけが明確である。