熊本地震で被災した阿蘇地区の環境調査に取り組んでいます

2018年04月27日

東海大学情報技術センターの長幸平所長(情報理工学部教授、研究推進部長)が代表として科学研究費補助金基盤研究(B)の採択を受けた研究「衛星観測と現地調査による被災地の環境再生モニタリングと地球環境教育の高度化」(平成29~33年度)※による活動の一環で、熊本キャンパスで活動する東海大学チャレンジセンター・先端技術コミュニティACOTの学生メンバーと付属熊本星翔高校サイエンス部の生徒が、熊本地震で被災した阿蘇地域の環境再生調査に取り組んでいます。この研究は、人工衛星で地表を観測する「リモートセンシング」の技術と地上での定期的な定点観測を組み合わせ、衛星画像と現地写真を比較しながら、熊本地震で大きく変化してしまった熊本県南阿蘇村を中心とした阿蘇地区における自然環境や道路、橋等の再生状況を把握することが目的です。さらに、その活動を通じて大学生や高校生の環境教育を図ることも目指しています。

ACOTの学生メンバーと熊本星翔高生は「地球環境定点観測隊」としてこの研究活動に参加。今年1月に熊本星翔高の生徒が阿蘇大橋の崩落現場や本学阿蘇実習フィールドで定点撮影を行いました。また、2月と3月に長所長が観測隊の大学生と高校生に向けてリモートセンシング技術についてレクチャーするセミナーも実施し、震災前後の衛星画像から被害の大きかった場所を確認しました。熊本地震の発生から2年を目前にした4月13日には、研究分担者である中嶋卓雄学長補佐(情報教育センター所長)、星翔高の山本敬太教諭らの引率で初めて大学生と高校生が合同で現地調査に取り組み、前回高校生が撮影した地点と同じ場所や俵山トンネル付近を訪れて雨の中でも熱心にデジタルカメラのシャッターを切っていました。

「定期的に撮影することで変化の様子を記録し、将来的に多くの人に紹介できれば」と話す星翔高の生徒たち。ACOTの学生メンバーたちは、「熊本地震で被災した熊本城の再建には20年以上の時間が必要と聞いていますが、阿蘇の自然環境が地震前の姿を取り戻すにはもっと時間がかかると思います。自分たちの活動が復興の一助となるよう、後輩たちにもこの取り組みを引き継いでいきます」と語っています。長所長は、「この研究は2012年から16年まで、『衛星観測と現地調査による被災地の環境再生モニタリングと地球環境教育の実践』のテーマで、東日本大震災の被災地を対象に取り組んできた内容を継続・発展させたものです。環境調査に教育の要素を取り込むことで、学生や生徒たちに災害について深く認識してもらうとともに、定点から被災地を見つめ続けることで自然環境の回復や道路等の復興状況を実感してもらいたいと考えています」と話しています。

※研究分担者=情報理工学部・内田理教授、情報教育センター・中嶋卓雄教授、工学部・寺田一美准教授、農学部・伊藤秀一教授、日本大学工学部・若林裕之教授、東京工業大学環境・社会理工学院・佐藤俊明特任准教授

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