医学部の教育方針と教育目標

東海大学医学部は、明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性を持った人材を育成し、「調和のとれた文明社会を建設する」という建学の精神に基づき、「科学とヒューマニズムの融合」の精神の下、医学や生命科学に関する最新の知識と、生命に対する尊厳を忘れない温かな人間性を兼ね備えた「良医」の育成と生命倫理に対する高い見識に裏付けられた「生命科学研究」を実践することを目的としている。

そのため我々は、1988年度の入学者から新しい医学教育に基づくカリキュラムとして、「自学自習」の能力を養う独自のCOS(Case Oriented System)カリキュラムを導入しており、更に1977年度からは臨床参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を開始して、問題解決能力、コミュニケーション能力や基本的臨床技能の修得を目指している。現行カリキュラムでは、関連する臓器の構造や機能といった基礎的な知識から、病態や治療などの臨床的な知識をトータルに学ぶ統合的授業を取り入れている。さらに低学年から病院内や福祉施設などで実際に研修することにより、体験を通して学ぶことの重要性を図っている。これらのカリキュラムの特色は次のように要約される。

  1. 1.チューターによるスモールグループ制での教育

    「医学英語」、「基本診療学」、「クリニカルクラークシップ」、「専門選択科目」など各年次において、小グループによるチュートリアル制度を導入してマンツーマンの実践的教育を行い、必要に応じて生活指導も行っている。

  2. 2.医学英語教育の充実・国際的教育

    1年次から海外の大学で使用されているテキストブックを用いて、スモールグループによる基本的な医学英語を学ぶ。また、5年・6年次には、ニューヨーク医科大学、ウェイク・フォレスト大学、ハワイ大学(以上、アメリカ)、あるいはカーディフ大学(イギリス)、コペンハーゲン大学(デンマーク)との間で、交換留学生制度を実施しており、国際交流を重視した教育を行っている。

  3. 3.臨床医師になるモチベーションの涵養

    「医学入門」、「人間関係学」、「個別体験学習」、「福祉施設実習」、「クリニカルコミュニケーション」の実習・演習において、できるだけ低学年から医師になるというモチベーションを養うための人格教育を行っている。また、模擬患者さんの協力を得て、より実際の臨床に近い形態での授業を展開している。

  4. 4.症例を通して自己学習により問題解決能力を養う

    実際の症例と同じシナリオを通して、学生自らが問題点や疑問点を見出し、解決することで問題解決型学習態度を修得することを目的とするPBL(Problem-Based Learning)を行っている。

  5. 5.Student doctorとしてのクリニカルクラークシップ

    1977年から欧米の大学でグローバルスタンダードとなっているクリニカルクラークシップを取り入れており、student doctorとして各科の診療チームに加わって研修し、医師に必要な総合力を修得する。

  6. 6.選択制カリキュラム

    専門教育時間において、約100科目もの選択授業の中から学生が自らの希望や将来の進路などを考慮して選択することができる。また、基礎ならびに臨床研究が行われている研究ユニットにも学生の希望により参加し、研究を行う自主研究プログラムも行われている。また、6年次に開講される選択臨床実習では、本学付属病院のほかに、地域医療機関や診療所での研修や、海外も含めた医療研修ができる自己開拓科目も盛んに行われている。

医学部が授業で育成する力・スキル

東海大学医学部の教育理念である良医の育成のために授業では、次のようなカリキュラムポリシーを作成し、教育にあたっている。

  1. 1.豊かな人間性:人を思いやり倫理意識を持てる力。
  2. 2.社会的役割の認識:社会的役割を自覚し、実践できる力。
  3. 3.論理的・創造的思考力:論理的に分析し、問題を発見し、それを解決する力。
  4. 4.医学的知識:人の正常機能や病態の理解、病気の診断・治療のための基本となる知識。
  5. 5.実践的技能:仮説を実証する実験・研究能力、診断・治療につながる臨床能力。
  6. 6.グローバルな視点:医学の進むべき方向性を国際的レベルで認識する力。

医学部が養成しようとする人材

東海大学医学部では「豊かな人間性・社会性を備え、知識・技能・創造性に秀でた良医の育成」を目指しており、「良医」とは、幅広い視野に立ち、広範な知識・確かな技能・豊かな創造性を持つと共に、社会的役割を認識し、人に対する尊厳を忘れない人間性豊かな医師をさしている。

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