大学院生の佐藤さんが国際学会で研究成果を発表しました

大学院理学研究科物理学専攻1年次生の佐藤和秀さんが、5月10日から14日まで韓国で開かれた国際学会「10th Asia Pacific Laser Symposium」でベストポスターアワードを受賞しました。また、日本からは唯一選ばれた上、他の受賞者は海外の研究機関の博士研究員(ポストドクター)が占める中、佐藤さんは、修士課程での研究内容レベルが大変高く評価されました。

佐藤さんは、理学部物理学科の山口滋教授と鄭和翊教授の指導を受けながら、レーザーを使った気体の成分分析に光波マイクロホンという手法を取り入れる技術の研究に取り組んでいます。これまでの研究では、気体にレーザーを当てた際に生じる微小な音波をその場で高性能なコンデンサマイクロホンで捉えることで計測してきました。そのため、遠隔での計測はできませんでした。光波マイクロホンは産業工学部(現・基盤工学部)の園田義人元教授が長年にわたって開発してきた技術で、遠くから狙った場所に発生している音波を抽出することが可能です。今回の研究では、アセチレンが発する音波を遠隔から光波マイクロホンで計測して正確な濃度分析データを取得できることを明らかにしました。

佐藤さんは、「初の国際学会参加でしたが、英語でのプレゼンテーションはもちろん、幅広い分野の方と意見を交換する中で、自分は注目していなかった新しい着眼点を得られるなど研究面でも収穫が大きかったと感じています。これまで誰も取り組んだことのないレーザー計測技術の開発分野なので、自分が新領域を切り開いている実感を持てるのが何よりも魅力だと思います。学部生の4年間、とりわけ研究室に入った3年次生からの2年間で、物事を多角的にとらえ、掘り下げて考える力が身についたと実感しています。これからもその力がさらに磨けるよう、しっかり勉強していきたい」と話しています。

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