ヨーロッパ学術センターで法医心臓病学セミナーを初開催しました

ヨーロッパ学術センターでは昨年12月5日に、法医心臓病学セミナー「Nordic-Japan Forensic Cardiology Understanding Symposium(NJ-FOCUS)」を初開催しました。コペンハーゲン大学法医学研究所、デンマーク王立病院循環器センターとの共催で、日本学術振興会ストックホルム研究連絡センターの後援を受けて実施したNJ-FOCUSは、2027年3月まで2年間の予定でコペンハーゲン大学に客員研究員として在籍している医学部基盤診療学系法医学領域の磯崎翔太郎講師らが主導して立ち上げたシンポジウムで、日本と北欧諸国の法医学や循環器内科の研究者間のネットワーク形成を目的としています。第1回となる今回は心臓性突然死(Sudden Cardiac Death)に焦点を当て、デンマーク・フィンランド・日本の研究者が発表。本センターを会場にオンラインでも配信し、約80名(スタッフ、会場招待、オンライン事前登録者含む)が参加しました。

当日は、まず本センターのヤコブ・スキュット・イエンセン事務長が歓迎のあいさつを述べ、本センターの小山晶子所長(国際学部教授)による開会のあいさつを代読しました。続いて第1セッションでは、磯崎講師のホスト教授であるコペンハーゲン大・王立病院のヤコブ・テフェルト・ハンセン教授が心臓性突然死や遺伝性不整脈の疫学研究について講演。次にコペンハーゲン大のクリスチアン・トープ・ぺーダセン教授がデンマークにおけるレジストリシステムとそれを用いた疫学研究の手法について講演しました。第2セッションでは、フィンランド・オウル大学のカッチャ・ポルヴァリ講師が低体温症の循環器系への影響について発表し、王立病院博士課程のラスムス・ボーク・ディンセン氏が心筋症と心臓性突然死に関する疫学研究について紹介しました。

昼食後の第3セッションでは、本学医学部基盤診療学系法医学領域の垣本由布教授が心臓性突然死の剖検症例におけるプロテオミクス解析をテーマに講演。兵庫医科大学の山本琢磨准教授がRBM20心筋症の突然死事例における遺伝性解析と動物モデルについて発表し、最後に秋田大学の早川輝教授が好酸球性冠状動脈周囲炎の突然死症例をテーマに語りました。第4セッションでは、磯崎講師が余暇時の身体活動と心臓性突然死について発表し、王立病院博士課程のディープティ・ラジャン氏が若年者における心房細動と突然死について説明。コペンハーゲン大医学部の学生であるマリア・ブルーン・ニールセン氏が院外心停止患者の一親等近親者における遺伝性心疾患のリスク解析について紹介しました。

最後にヤコブ・テフェルト・ハンセン教授が、講演者全員に感謝を表し、「法医学において、日本と北欧の連携をさらに強め、知見を共有しながら今後もコラボレーションを継続したい」とまとめました。