湘南キャンパスの教職課程では、秦野市教育委員会との連携により、2012年度から市内の小中学校へ「教科学習支援員」を派遣しています。2026年度は、教職課程を履修する2年生から4年生までの55人が、市内22校(小学校13校、中学校9校)で児童生徒の学習支援などに取り組んでいます。
この活動と連動する授業「学校インターンシップ」(担当者:稲垣智則准教授・峯啓太朗助教)では、支援員としての活動を振り返り、教職課程での学びと学校現場での経験を往還させながら、教員になるための学びを深めています。
▶2026年度の第1回振り返りは6月19日に実施しました。学生は事前に記入した「教科学習支援員として何を学びたいか」という目標を確認したうえで、活動記録をもとに、これまでの活動で経験した具体的な場面を共有しました。記録には、「何もできず、見ているだけになった」「声をかけたら、かえって相手が離れてしまった」「一人を支援すると、他の児童生徒を見られなかった」「担任の先生にどうつなぐか考えた」など、学校現場で直面した戸惑いや気づきが記されていました。
続くグループでの話し合いでは、印象に残った場面や困ったこと、先生方の対応から学んだことを共有しました。児童生徒への声かけの難しさ、学校や学級による雰囲気の違い、先生方の児童生徒への対応の様子、支援員としての立ち位置などについて、多様な視点から活発な意見交換が行われました。
授業では、「どうしよう」と立ち止まる場面こそが、支援員としての学びの出発点であることを確認しました。また、支援員として学校に入ることは、授業を受ける側から児童生徒を支える側へと視点を移す経験でもあります。自分がどれだけ頑張ったかだけでなく、児童生徒がどう受け取ったのか、その場で何が求められていたのかを考えることの重要性についても共有しました。



▶第2回振り返りは7月16日に実施しました。学生は日頃の活動記録や前回の振り返りレポートをもとに、学校現場で実際に経験した具体的な事例を共有しました。
記録には、「授業中に立ち歩く児童」「活動に参加できず泣き続ける児童」「短歌の感想を書けず手が止まっていた生徒」「転入後、学級になじめずにいた児童」など、一人ひとり異なる状況の中で、支援員としてどのように関わるべきか悩んだ場面が数多く記されていました。
記録に記された経験について、グループに分かれて話し合いをしました。児童生徒への声かけの工夫や、どこまで支援員が関わるべきか、教員との役割分担などについて、それぞれの経験をもとに意見を交換しました。同じ学校で活動する学生同士が経験を共有することで、自分では気づかなかった見方や関わり方について考える機会となりました。

担当教員からは、困ったときには、児童生徒の行動だけを見るのではなく、「相手は世界をどう見ているのか」という視点から考えることの重要性が示されました。その背景にある児童生徒の考えや気持ちを想像することで適切な支援につながることが伝えられました。また、「~しない」という行動を制止する声かけよりも、「~しよう」と次の行動を具体的に伝える声のかけ方が有効であることについても助言がありました。

今回の振り返りを通して、学生たちは自分自身の経験だけでなく、他の学生の経験からも多様な視点を得ることができました。今後も学校現場での実践と大学での振り返りを往還しながら、児童生徒一人ひとりに応じた支援について学び、教員としての実践的な力を深めていきます。