湘南キャンパスで8月7日に、研究所連携企画として「医理⼯情報系研究所合同シンポジウム2026」を開催しました。「AI駆動型⽣命医科学の研究・教育拠点の創出に向けて―基礎研究から社会実装まで―」をテーマに、総合医学研究所とマイクロ・ナノ研究開発センター、先進生命科学研究所、情報理工学研究所に所属する研究者8名が講演。オンラインを併用し、多くの教職員や大学院生、学生が聴講しました。
本学では、AIを含めた情報技術の急速な進展に対応するため、今年度から新たに情報理工学研究所を開設。さらに、総合医学研究所は「情報医科学部門」を、マイクロ・ナノ研究開発センターは「分野融合データサイエンス研究チーム」を新設し、先進生命科学研究所ではバイオ医薬品の生産・品質管理に向けたAIの活用を検討するなど、さまざまな取り組みを進めています。本シンポジウムはこうした流れを融合し、AIを活用した本学独自の研究の発展や教育の充実を図るために実施したものです。

初めに、秦野伸二副学長(研究担当、医学部医学科教授)が登壇。研究力の向上を目指す国の施策や本学の取り組みを紹介し、「分散している人と機器を集結してAI駆動型の先端研究を発展させるため、このシンポジウムは非常に重要であると考えています。積極的に議論してください」とあいさつしました。続いて、中心になって企画した総合医学研究所の稲垣豊所長が開催の趣旨を説明し、「各研究所の長所を生かしながら医理工情報分野のさらなる連携を図り、本学独自の新たなプロジェクト研究や研究拠点形成につなげる契機にしたいと思います」と述べました。

講演では、先進的な研究に取り組む気鋭の研究者が各自の専門分野やこれまでの成果を紹介し、AIを用いた研究の事例と活用に当たっての技術的・倫理的課題、活用の方向性や可能性などについて説明。講演後には参加者と活発な質疑応答や意見交換を行いました。最後に、大学戦略本部(研究戦略)の中島孝部長(情報理工学部情報科学科教授)が講評し、「医理工情報の各分野において多彩で高度な研究を行っている大学であることをあらためて感じました。組織や分野を超えて生まれた共同研究が飛躍的に発展するよう願っています」と結びました。
終了後には、会場を移して情報交換会も実施。和やかな雰囲気の中で、互いの研究やAI研究の潮流などについて意見を交わす姿が見られました。参加した理学部物理学科の4年次生は、「幅広い分野で先進的な研究が行われ、社会実装されていると知り、刺激を受けるとともに東海大学で学べることを幸せに思いました。今日の学びを生かし、多様な視点を意識しながら卒業研究に取り組みたい」と話していました。

※当日のプログラムは以下のとおりです。
【総合司会】
中川 草[(総合医学研究所/マイクロ・ナノ研究開発センター/医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域准教授]
【開会あいさつ】
秦野伸二[副学長(研究担当)/総合医学研究所/医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域教授]
【趣旨説明】
稲垣 豊[総合医学研究所所長]
【講演】
座長:穂積勝人[大学院医学研究科長/総合医学研究所/医学部医学科基礎医学系生体防御学領域教授]
1.⽊村啓志[マイクロ・ナノ研究開発センター/⼯学部機械⼯学科・⽣物⼯学科教授]
「MPSとAIを統合した次世代NAMsの創出に向けて」
2.荒井堅太[先進⽣命科学研究所/理学部化学科准教授]
「AI時代の蛋白質構造制御:反応場設計による蛋白質フォールディングの革新」
3.岡村陽介[マイクロ・ナノ研究開発センター所長/⼯学部応⽤化学科教授]
「形から機能を創る高分子ナノ材料~設計・物性・医工学応用~」
4.中川 草
「ウイルス様エレメント(VE)研究基盤の創設と発展」

座長:喜多理王[大学院総合理工学研究科長/マイクロ・ナノ研究開発センター/ 理学部物理学科教授]
5.⽊下裕磨[情報理⼯学研究所/情報技術センター/情報理⼯学部情報科学科講師]
「AIと数理モデルの調和が拓く次世代センシング」
6.後藤信⼀[総合医学研究所/マイクロ・ナノ研究開発センター /医学部医学科総合診療学系総合内科学領域准教授]
「AI研究の新たな展開―ブラックボックスの向こう側―」
7.⼩路 直[総合医学研究所/医学部医学科外科学系腎泌尿器科学領域主任教授]
「AIナビゲーションによる前立腺癌低侵襲超音波治療の開発」
8.酒井⼤輔[総合医学研究所/医学部医学科外科学系整形外科学領域主任教授]
「AIが変える運動器診療とスポーツ医学―病態理解から診断・予後予測・手術支援・障害予防まで―」
【閉会の挨拶】
中島 孝[大学戦略本部(研究戦略)部長/情報理工学部情報科学科教授]
