原子力工学科が「原子力シンポジウム-2018」として展示と特別講演会を実施しました

工学部原子力工学科では、建学祭期間中の11月2、3日に湘南キャンパス19号館で「原子力シンポジウム-2018」を開催しました。各研究室の研究内容を伝える展示や専門家による特別講演を通して、原子力・放射線やエネルギーに関する正しい知識や技術、現状を知ってもらう機会として毎年開いているものです。
展示コーナーには連日多くの市民や高校生らが来場。学生たちは、放射線を使って髪の毛を分析し、乳がんなどの早期発見を目指す研究や核融合炉の安全性向上を目指す研究のほか、空中を飛び交う放射線の飛跡を肉眼で観察できる「霧箱」、本学が有する原子炉シミュレータ―などを紹介。来場者に原理や仕組みなどを熱心に解説しました。

3日に工学部公開講座を兼ねて行われた特別講演会では、資源エネルギー庁の永見祐一氏(長官官房総務課調査広報室)が登壇し、「日本のエネルギー政策~グローバルな視点と原子力~」と題して講演しました。永見氏は豊富なデータをもとに、日本の電源構成やエネルギー自給率、原子力発電所再稼働の現状、温室効果ガス排出量の推移などを紹介。世界的には低炭素化などを理由に原子力を電源の一つとして選択する国が増えている現状や、2016年のパリ協定の発効を踏まえた日本の「第5次エネルギー基本計画」の概要を解説しました。そのうえで、「日本には原子力分野の高い技術があり、ニーズも高まっている一方、次世代の技術を担う人材の不足が課題になっている。学生の皆さんは世界に目を向けてほしい。そこに皆さんのフィールドが広がっています」と語りかけ、会場からも熱心な質問がありました。

学生たちは、「展示のデモンストレーションは、来場者にわかりやすく伝えられるよう工夫する過程で、あらためて自分自身の研究内容を理解しなおすよい機会になっています。何より、多くの人に研究を知ってもらえることが楽しい」、「講演では、メガソーラーが抱える国内の課題やヨーロッパの実情などを学べました。プレゼンテーションの進め方も大変参考になりました」と話していました。

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