機械工学科の木村准教授(マイクロ・ナノ研究開発センター)の研究チームが日本医療研究開発機構(AMED)の「橋渡し研究戦略的推進プログラム」に採択されました

2020年03月24日

工学部機械工学科の木村啓志准教授(マイクロ・ナノ研究開発センター)の研究グループの研究プロジェクト「生理的神経筋結合部を有する筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルの構築」がこのほど、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「橋渡し研究戦略的推進プログラム」異分野融合型研究開発推進支援事業に採択されました。本事業は、優れた基礎研究の成果を臨床研究・実用化へ効果的に橋渡しできる体制を構築し、革新的な医薬品や医療機器等の創出を推進することが目的です。今回採択されたのは、その一環として首都圏の私立大学をはじめとする臨床研究機関が結成している首都圏ARコンソーシアム「MARC」が展開しているもので、医学部を有する大学に所属する研究者のうち、医学部以外に所属する研究者が中心となって展開するプロジェクトを支援することで日本発の革新的な医薬品・医療機器の開発を目指しています。

木村准教授は、腎臓や肝臓などのさまざまな臓器の働きや神経組織を人工的に模した「マイクロ流体デバイス」の開発に取り組んでいます。その技術を生かした研究の一つとして、医学部の秦野伸二教授、大友麻子助教との共同研究として「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」のメカニズム解明に取り組んでおり、今回採択されたプロジェクトではさらなる研究の発展を目指しています。

神経組織に存在する神経細胞は、軸索を伸ばして目的の細胞とつながることでさまざまな情報を伝達しており、秦野教授の研究で、ALSのモデルマウスでは軸索内に小胞がたまって詰まりが生じ、正常機能が維持できなくなっていることが分かっています。一方で、神経細胞のネットワークはきわめて複雑なため、通常の方法では個々の細胞同士のつながりの正確な観察が困難であるという課題を抱えていました。そこで、木村准教授が神経細胞から伸びる軸索1本ずつの観察を可能にするデバイスを開発。複数の神経細胞から出る個々の軸索内の小胞がどのように動いているのか観察できるようにしました。今回採択されたプロジェクトでは、その技術をさらに発展させ、複数の神経細胞と骨格筋細胞のネットワークを観察できるデバイスの開発を目指します。

木村准教授は、「神経組織と骨格筋組織を複合的に観察する技術が構築できれば、より生体に近い環境での神経伝達の経路を観察し、さまざまな薬の影響を調べることも可能。ALSだけでなくさまざまな神経疾患の発症メカニズムの解明にも貢献できると考えています。これまでのデバイス同様、今回のデバイスも国際規格であるANSI/SBSに準拠したサイズの回路にすることで、ユーザーにとって使い勝手のよいものにしたい」と話しています。

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