原子力工学科の学生が東京電力福島第一原子力発電所などを見学しました

工学部原子力工学科では9月11、12日に、東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町・双葉町)と、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の廃炉国際共同研究センター(富岡町)、楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)の見学会を実施しました。本学科では、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故後、講義を通して事故の経過や当時用いられていた安全策の課題、現状などを学生たちに伝えてきたほか、多くの卒業生が福島の地で復興に貢献すべく活躍しています。今回の見学会は、そうした状況を踏まえて現地で働いている人たちと接するとともに作業の内容や状況を肌で感じることで、「忘れてはならない」重要な体験を積む機会としてもらおうと、本学科同窓会「東海大学原子力工学会」の協力を得て実現したものです。見学会には3年次生18名と大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生2名が、また、教員5名、現地企業担当者(OB)5名、原子力工学会役員3名の合計33名が参加しました。

11日に富岡町の旧エネルギー館に到着した学生たちは、スタッフから福島第一原子力発電所の現状と今後の対応、津波被害状況について解説を受けたのち、構内移動バスで発電所内を視察。1号機から4号機までの外観や凍土遮水壁設備、固体廃棄物貯蔵庫、高性能多核種除去設備などをバスの中から見学しました。さらに見学後の夕食時には、現地で活躍しておられる企業担当者とも懇談し、現場での対応状況の詳細を聞くなど、交流を深めました。また、12日には、廃炉国際共同研究センターと楢葉遠隔技術開発センターを訪れ、原子力発電所の廃炉に向けた研究開発拠点や遠隔操作ロボットの実証試験に使われる施設を見学しました。

学生たちは、「今回初めて福島第一原子力発電所を訪問しましたが、廃炉に向けた環境が整っており、プランがしっかりと立てられていることを知り、自分の勉強に対する意欲向上にもつながりました」「廃炉作業には多くの企業、さまざまな分野の人がかかわり、試行錯誤していることを実感として学べました。その一方で、帰宅困難地域では壊れた家屋が放置されているなど、地域の回復も欠くことのできない重要な使命なのだと感じました」「原子力は、原子力発電所の技術がすべてだと思っていましたが、実際には安全技術にかかわるセンサーやシステム、人が立ち入れない場所で作業するロボットなど周辺にかかわる技術も重要なのだと感じました」「原子力を専攻している学生として、使命感を感じました。今自分にできる『原子力を学ぶ』ということに全力で取り組もうと強く思いました」と感想を話していました。

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