土木工学科の学生が伊勢原市の産業振興策を提案しました

工学部土木工学科の3年次生が1月16日に湘南キャンパスで、伊勢原市の職員に対して同市の産業振興に向けた施策を提案しました。地域の課題解決策をグループで考える演習科目「シビックデザイン」(担当=梶田佳孝教授)の一環で行ったもの。この授業では年度ごとに小田原市や平塚市、清川村など神奈川県内にフィールドを設定、各自治体の協力を得て、まちづくりの課題を学生が提案するプログラムを実施しています。今年度は受講生約60名が8グループに分かれて挑みました。

学生たちは秋セメスターの3カ月間をかけて政策を検討。伊勢原市の総合計画を調べたほか、市の職員への聞き取り調査やフィールドワークを行い、全国の自治体の取り組みも参考にしながら、具体的な提案にまとめました。16日の発表会では、グループごとに成果を報告。観光客が増加している大山地区の交通渋滞をパークアンドライドの導入によって改善する案や東海大学医学部付属病院や伊勢原協同病院と連携して医療・福祉系のロボット産業を振興する策、道の駅や物流加工基地を設けて伊勢原市の農業振興につなげる案などを提案しました。

発表終了後には市の担当者が、「市の抱える現状をしっかりととらえ、掘り下げてくれたと思います。今後の市の施策の中でも参考にしたい」とコメント。学生たちは、「今回の授業を通じて、私たちが普段大学で学んできたことが実社会で生かせることを知り、うれしい気持ちです」「正解のない課題に取り組むのは難しかった。その一方で、特定の課題に対してどのように調べ、まとめていけばよいのかなど、講義形式の授業や実習では学べないスキルが身についたと感じています」「最初はグループの中でどのような方向性で議論するのかもわからず苦労しました。それでも最後は全員で発表練習を重ねるなど全員で達成感を味わうこともできました。チームとして課題に取り組むときに必要なことは何かを学べたと思います」と話していました。

梶田教授は、「この授業は、学生自身の問題発見能力を養い、専門分野と社会のかかわりについて経験を通して学ぶ中で、大学で学んだ知識を応用する力をつけることを目的に3年前から実施しています。実際にフィールドに足を運び、自治体の方と接することで、大学近隣の事例を通して、いま日本がどんな問題を抱え、どのように改善していけばよいのかを考えるきかっけにもしてほしいと考えています。本学科には公務員志望者や、道路や公共施設などの社会インフラを支える企業を志望する学生が多くいます。彼らにとっては、専門分野を実社会で生かすすべを実習する貴重な機会にもなっていると考えています」と話しています。

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