工学部の長谷川真也准教授が、「再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム」で、熱音響機関に関する研究成果を紹介しました

工学部動力機械工学科の長谷川真也准教授が、7月10日から12日までパシフィコ横浜で開かれた「第14回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム」(主催:再生可能エネルギー協議会)で、熱音響機関に関する研究成果を紹介しました。この展示会は、再生可能エネルギーに関する技術交流の場として毎年開催されているものです。長谷川准教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のブースで、「音で冷却/発電が可能な熱回生熱音響デバイス」をテーマに成果を発表。大きな注目を集めました。

「熱音響機関」は、工場や自動車などで化石燃料の燃焼によって生ずる廃熱(空気中に捨てられる熱)を回収して再利用する技術です。細い管に一定値以上の温度差を設けることで発生する音波を介して発電や冷却を可能にする、熱回生デバイスの実現が期待されています。本研究は、2013年度にJSTの「戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)技術領域における平成25年度新規採択研究開発課題」に採択。さらに、16年度には次のステージである「平成28年度実用技術科プロジェクト『新規材料および新機構による熱利用技術』」にも発展的に採択され、社会実装を見据えた研究を進めています。

実験装置がセットされたブースには、自動車や鉄鋼、電気機器関連企業をはじめ、IT関連企業や国や地方公共団体など幅広い分野の研究者ら約500名が来訪。11日には長谷川准教授が「出展者プレゼンテーション」で講演し、研究成果をアピールしました。次々に訪れる来場者に対応するため、連日7、8名の大学院生もブースに待機し、デモンストレーションをしながら熱音響機関のメカニズムや活用法などについて説明。千賀麻利子さん(大学院総合理工学研究科総合理工学専攻博士課程)は、「工学部1年次生のときから熱音響機関に興味を持ち、4年次から長谷川先生の元で研究を続けてきました。さまざまな分野の企業の研究者と直接話すことで、世の中のニーズや企業の実情も見えてきました。この技術を一般家庭にも普及させるという目標に向かって、研究を続けたい」と話していました。

長谷川准教授は、「支援を続けてくださっているJSTの皆さんに感謝しています。本研究が注目されていることをうれしく思うと同時に大きな責任も感じています。昨年度から始めた企業向けの本技術の指導は間もなく2年目に入りますが、参加者の理解が深まって技術の応用の幅が広がりつつあり、また、自分自身でも多くの発見があって、実用化に向けての手応えを感じています。社会実装を目指してさらに研究を加速させたい」と意欲を見せていました。

なお、併催された「PV2019 太陽光発電展示会&フォーラム」には、チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・ソーラーカーチームが出展。2017年度の「ブリジストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」などで上位入賞を果たした「2017 Tokai Challenger」を展示し、マシンの特徴やレースでの体験などを紹介しました。

長谷川先生1_525.jpg

長谷川先生2_525.jpg

長谷川先生3_525.jpg

長谷川先生4_525.jpg

長谷川先生5_525.jpg