大学院生工学研究科の杉田さんが「オレオマテリアル学術交流会」で受賞しました

大学院工学研究科電気電子工学専攻1年次生の杉田瑞樹さん(指導教員=工学部 光・画像工学科 前田秀一教授)が、11月18日に東京新宿区で開催された「第3回オレオマテリアル学術交流会」(主催=日本油化学会オレオマテリアル部会)で優秀ポスター賞を受賞しました。同交流会は油化学分野の機能性材料に関する研究者が集まるもので、優秀な研究発表が表彰されています。杉田さんは昨年の同学会に続き2年連続での受賞になります。

杉田さんは、黒田総合技術株式会社と共同で取り組んでいる「ブルーライトの生体への影響」に関する成果を発表しました。ブルーライト(波長が380nm~500nmの光)はスマートフォンやパソコンのモニター、LEDライトなどで広く利用されている一方、ヒトや動物の体に悪影響があるともいわれています。しかし、そのメカニズムや影響の度合いに関する科学的検証は進んでいないのが現状です。杉田さんは昨年度の同学会での発表で、433nmのブルーライトを照射すると人の肌の温度が上昇することを発表。今年度はさらに研究を進め、日常的に浴びている太陽光のエネルギー量を季節や屋内外などさまざまな条件で測定し、433nmが太陽光にも一定度含まれていることや、その含有エネルギー量を定量的に明らかにした成果を発表しました。

「研究の成果が素晴らしくても、ブースを訪れた人に理解してもらえなければ評価されないため、学会の準備に当たっては見栄えやレイアウトにもこだわりました。たくさんの時間をかけて準備してきたことが結果につながって、とてもうれしく思います。これまでは日焼けを引き起こす光源として紫外線が注目されてきましたが、ブルーライトも皮膚に影響を及ぼすことが明らかになれば、アトピー性皮膚炎や光老化などの症状の対策にも新たな道が開かれると考えています。ブルーライトの科学的研究はまだ始まったばかりの分野。今後も研究を重ね、将来はその成果をもとにした商品で社会に貢献したい」と語りました。

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